「憲法96条」を改正すべきですか? 弁護士48人が考える「憲法改正論」

弁護士ドットコムニュース / 2013年6月2日 15時5分

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日本国憲法が1947年5月3日に施行されてから66年が経った。その間、時代は移り変わり、日本を取り囲む国際情勢も大きく変化している。当時は想定されていなかった問題も生まれている。

ここにきて憲法改正の気運が高まりつつある。というのも、昨年12月に政権復帰した自民党の安倍晋三首相が、憲法改正の発議要件を定めた「憲法96条」の改正について、この夏の参議院選挙で争点とする構えを見せているからだ。

憲法改正に賛成している人々の中には、「これまで憲法が改正できなかったのは、厳しい手続要件のせいだ」として、「まずは96条の改正の発議要件を緩和するべきだ」という主張も見られる。たとえば自民党案では、両議院議員の発議要件を「3分の2以上」から「過半数」に変更することを提案している。

一方で、反対している人は「憲法の発議要件を一般の法律並みに引き下げるのは慎重にすべきだ」と主張している。ほかにも、「議論が成熟しない中で、96条だけを変えてしまうのは時期尚早だ」といった意見や、「改正の手続きだけではなく、中身に関する議論もあわせて行うべき」といった声もあがっている。

はたして、憲法96条を見直して、改正手続きを緩和すべきなのだろうか。弁護士ドットコムに登録している弁護士たちに意見を聞いた。

●75%が「96条改正に反対する」

弁護士ドットコムでは、憲法96条の改正について弁護士にたずね、以下の3つの選択肢から回答を選んでもらった。48人の弁護士から回答が寄せられ、次のような結果となった。

(1)96条改正に賛成する

   →8人

(2)96条改正に反対する

   →36人

(3)その他

   →4人

このように、回答した弁護士の75%にあたる36人が<96条改正に反対する>と答えた。その理由として、次のような意見が見られた。

「憲法は国のかたちを決める基本法であり、改正に慎重な手続を要することが適切であると考えます。小選挙区制のもとでは民意が下駄を履かされて与党の議席が伸びる傾向にあり,そのような国会での過半数程度の意見では、憲法改正を発議するには十分でないでしょう」(秋山直人弁護士)

「時々の政権や国民感情で簡単に動かすことができない普遍的な価値を盛り込んであるというのが現憲法の矜持でもあり、容易に改正すべきではないというのが現憲法の基本的なスタンスです」(池田伸之弁護士)

「『憲法改正の発議はぎりぎり51%あればいい、とかぎりぎり67%あればいい』というものでもありません。できるだけたくさんの同意が必要になるはずです(国の基本的なあり方について51対49で意見が分裂したとなれば、これは国家分裂の危機でさえあります)。そのような分裂の危機を誘発するような憲法改正発議の要件の緩和はやめておいた方がよいように思います」(三輪和彦弁護士)

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