投票率50%以上ないと「開票できない」 小平市「住民投票」に問題はないか?

弁護士ドットコムニュース / 2013年5月25日 11時30分

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東京都内の自治体として初となる住民投票が5月26日、小平市で行われる。投票では、骨格幹線道路である府中所沢・鎌倉街道線のうち、同市内を通る一部分について「建設計画を見直すべきか」を問う。市民グループを中心とする小平市民の請求にもとづき成立した住民投票条例によって実施されるが、投票結果に法的拘束力はない。

しかし、この住民投票、気になる「条件」がつけられている。成立・開票のためには、投票率が50%に満たなければならないというのだ。

報道などによると、小平市の小林正則市長はこの点について「ある程度、投票率が高くないと、市民の総意として扱うのはどうなのか」などと述べているという。一方、市民グループ側は、4月の小平市長選の投票率が37%程度だったことなどを指摘して、「投票率50%は高いハードルだ」と反発。成立に向けて、投票への呼び掛けに奔走しているというが・・・・。

今回の投票率50%という成立要件を、いったいどう考えるべきなのだろうか。稲野正明弁護士に聞いた。

●法的拘束力がないのだから「それなりに尊重する」で良いのでは?

「今回の住民投票の結果は、こういってはなんですが、『もともと法的拘束力が無い参考程度のもの』にすぎません」

稲野弁護士はこう語る。

「日本の地方自治は、基本的に間接民主主義です。今回の住民投票は、議会や市長が意思決定の際に参考にするためのもの。しょせんは、と言うつもりは全くありませんが、その程度のものであるということです。

今回、投票率10%であってもそれなりの数が集まったのであれば、『それなりに尊重する』で良しとすべきでしょう。

市長としてはおそらく、『住民総意』として尊重したいからこそ、ハードルを高くしているのだと思いますが、基本は間接民主主義なんですから、『総意』は言葉の綾ではないでしょうか。そういう意味では、市長は堅く考え過ぎかなと言う気がします」

今回行われる住民投票は、税金を使って行う、大規模な意識調査という性質があるとも言える。そうであれば、せっかく多くの人が示した「意思」の結果を見ないで捨ててしまうのは、少々もったいないと言える気もするが、どうだろうか。

(弁護士ドットコム トピックス編集部)

【取材協力弁護士】
稲野 正明(いなの・まさあき)弁護士
1999年弁護士登録。埼玉弁護士会所属。京都大学法学部、東京理科大学工学部卒業。
法律問題全般幅広く取り扱う。阪神タイガースファン 兼 浦和レッズファンである。
事務所名:稲野法律事務所
事務所URL:http://www.inano-law.com/index.html

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