女装して「女湯」に入った男が捕まった 「逮捕容疑」は建造物侵入罪でいいの?

弁護士ドットコムニュース / 2013年6月20日 10時56分

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女装した56歳の男が、女湯に入った疑いでこのほど逮捕された。事件が起きたのは、石川県野々市市の公衆浴場。男は女性の裸を盗み見る目的で、金髪かつらにミニスカートを身につけて、女湯の脱衣所に侵入。最終的には全裸で浴場にいたところを従業員に見とがめられ、駆けつけた警察官に建造物侵入容疑で逮捕された、と報道されている。

スポニチによると、従業員が洗い場の椅子に裸で座っていた男を発見し、「男性ですよね」と声をかけたところ、男は「はい」と素直に認めたという。捜査関係者も「女性に見せるには無理があった」と話しているそうだ。それはそうだろう。常識的に考えて、いくらかつらをかぶっていても、全裸の中年男を女性と見間違えるとは考えにくい。しかもかつらが金髪となれば、見た目の「インパクト」も絶大だったのではないか。

裸を見られた女性客のショックもさることながら、男のそんな姿を「見せつけられた」関係者たちにも、何らかの精神的なダメージが残っただろうと推察される。では、今回はなぜ、逮捕容疑が「建造物侵入罪」だったのか。異様な格好で他人の裸を見ていたことは、そのほかの罪にはあたらないのだろうか。尾崎博彦弁護士に聞いた。

●全裸でいたのだから、「公然わいせつ罪」にあたらないか?

「『男性が全裸で女湯』と聞けば、『公然わいせつ罪』が思い浮かぶかもしれません。しかし、そもそも公衆浴場内で全裸になっていたことがわいせつとは言えませんし、浴場は閉鎖的な空間ですから『公然性はない』とも考えられます」

——軽犯罪法はどうか。

「軽犯罪法では、『公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者』や、『正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者』は拘留又は科料に処せられます。

しかし前者については浴場が『公衆の目に触れるような場所』とは言い難いですし、後者についても自ら堂々と浴場に入っている以上、『ひそかにのぞき見た』という法律の文言にはなじみません。したがって、軽犯罪法の成立も疑問です」

——性犯罪でよく話題になる迷惑防止条例は?

「検討の余地はあるでしょう。もし石川県の迷惑防止条例で該当する可能性があるとすれば、第3条でしょうね」

そこには、次のようなことが書かれている。

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