日蓮宗「荒行」で死亡事故 責任は誰にあるのか?

弁護士ドットコムニュース / 2013年6月18日 18時22分

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日蓮宗の「荒行」で起きた死亡事故が波紋を呼んでいる。千葉県市川市の中山法華経寺で毎年11月1日から2月10日にかけて行われる「100日間荒行」は、過酷なことで知られる。極寒のなか、修行僧は1日7回水を浴び、その合間に読経を続ける。食事は朝夕2回、粥と汁物のみ。睡眠時間は約3時間しかない。

そんな厳しい荒行で昨年度、30代の僧侶が死亡する事故が起きた。修行の最中に体調不良を訴え病院に運ばれたが、その日のうちに亡くなったという。修行僧の健康管理は外部から医師を招いて行なっているが、日蓮宗の内部からも「行き過ぎた指導があったのではないか」と荒行のあり方に疑問を呈する意見も出ている。

「厳しい修行で悟りに近づく」という宗教としての価値観は大切にされるべきだろうが、人が死ぬほどの修行は行き過ぎではないか。日蓮宗の安全管理責任は問われないのだろうか。それとも、個人の意思にもとづく修行である以上、自己責任ということだろうか。松尾光二郎弁護士に聞いた。

●荒行の主催者には、安全配慮義務か、注意義務がある

「荒行と死亡との間に因果関係がある場合、主催者は、安全配慮義務違反による債務不履行責任、または、不法行為責任を負うことが考えられます」

このように松尾弁護士は述べたうえで、それぞれの責任が生じる可能性について、次のように説明する。まず問題となるのは、安全配慮義務違反による債務不履行責任があるかどうかだ。

「主催者と参加者との間に、契約ないし一定の法律関係がある場合、主催者は参加者の生命・身体に危険が生じないように、具体的な状況に応じて配慮すべき義務があります。これが、安全配慮義務です。

本件において、主催者には、荒行という過酷な行為による身体の生理的機能への影響を調査し、身体の異常や死に至る危険を予見すべき義務があるといえます。そして主催者は、医師による健康管理だけではなく、荒行中も常に参加者の健康状態を監視し、状況によっては荒行を即中止し、救護措置をとるなど危険の発生を未然に防ぐべき注意義務があったと考えられます。

もしこれを怠ったのであれば、債務不履行責任を負うことになるでしょう」

●参加者が無理に荒行を続けた場合は、参加者の過失が認められることもある

では、荒行の参加者と主催者の間に、契約関係等があったとはいえない場合は、どうだろうか。

「契約関係等がなかったとしても、注意義務違反があれば、不法行為責任を問われる可能性があります」

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