弱い立場につけこむ「就活セクハラ」 学生はどう対処すべき?

弁護士ドットコムニュース / 2013年6月20日 10時48分

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大手マスメディアである共同通信社の前の人事部長が、就職活動中の女子大学生に「不適切な行為」をしたとして、懲戒解雇になった。影響はそれだけにとどまらず、石川聡社長は6月20日に開かれる定時社員総会で退任する意向だという。

この「就活セクハラ」問題は、週刊文春のスクープ記事で発覚した。記事によると、昨年12月、前人事部長は企業説明会で知り合った女子大学生に「作文を添削してあげるよ」と言って呼び出し、深夜まで食事したあと、ホテルに連れ込んで関係を迫ったという。

就職活動をしている学生は「人生がかかっている」ため必死だ。その立場につけこんで、採用担当者がセクハラをおこなうケースがあとを絶たない。もし就活生がセクハラにあってしまった場合、どのような対応をするのがベストなのか。裁判を起こした場合、その担当者や会社の責任はどう問われるのか。大澤美穂子弁護士に聞いた。

●被害対応ができない会社には、就職すべきでない

大澤弁護士によれば、セクハラ被害に実際にあってしまった場合に最も大事なことは、「自分一人で悩まないこと」という。

「就活生の場合、その会社があこがれの就職先であればあるほど、自分だけで抱え込んでしまい、より傷を深めてしまうことがあります。すぐに会社の人事部などにセクハラ被害にあったことを伝えましょう」

このように大澤弁護士はアドバイスする。

「性的接触がともなう悪質なものについては、刑事処罰もありえますので、警察に告訴することも考えてください。まずは弁護士に相談するのも良い方法ですね」

このように、被害の程度によっては、警察や弁護士への相談の可能性も指摘する。

「就活生の中には『そんなことをしたら就職できなくなってしまう』と尻込みされる方もいるかもしれません。しかし、セクハラ被害に対してきちんと対応できない企業には、むしろ就職しない方が良いといえます」

●「就活セクハラ」は刑事処罰や損害賠償の対象になる

では、セクハラを行った採用担当者は、どのような法的責任を問われるだろうか。

「性的接触がともなえば強姦罪(刑法177条)や強制わいせつ罪(刑法176条)などの刑事処罰が問題となります。また民事上では、不法行為に基づく損害賠償責任(民法709条)の対象となります。会社内部の問題としては、就業規則に基づく懲戒処分の対象にもなりますね」

さらに会社に対しても、法的責任の追及が可能だという。

「会社には、セクハラ被害が生じないようにする事前の防止義務や、被害が判明した後にきちんと対応すべき事後措置義務があります。これらをきちんと行っていない場合には、使用者責任(民法715条)として、会社に対して損害賠償を求めることが可能です」

悪質なセクハラに対しては、厳しい法的責任が問われることになるが、泣き寝入りを防ぐためにも、まずは会社や警察等に問題を報告することが、大事といえそうだ。

(弁護士ドットコム トピックス編集部)

【取材協力弁護士】
大澤 美穂子(おおさわ・みほこ)弁護士
クラース銀座法律事務所 代表弁護士
第二東京弁護士会 弁護士業務改革委員会 副委員長、高齢者・障がい者総合支援センター運営委員会 副委員長,特定非営利活動法人遺言・相続リーガルネットワーク 渉外担当
事務所名:クラース銀座法律事務所
事務所URL:http://www.bengoshi-osawa.jp/

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