【働く人のサバイバル術】「退職」を拒否したら業務命令で「普通解雇」ってアリ?

弁護士ドットコムニュース / 2015年11月2日 7時22分

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(弁護士ドットコムの法律相談コーナー「みんなの法律相談」に寄せられた相談をもとに弁護士ドットコムライフ編集部が作成しました)

突然の退職勧奨を会社から受け、「退職」か「年俸の1割カットと新卒のような仕事」を選ぶように言われたという相談が寄せられました。しかも、その選択を拒否すれば、普通解雇にするとも言い渡されたそうです。こんな突然の命令を拒否することはできないのでしょうか? 笹山 尚人弁護士に聞きました。

Q. 退職勧奨を拒否できないのでしょうか?

先日、退職勧奨を受けました。

その退職条件を受け入れなければ、年俸を10%減額し、職種変換の業務命令を実施するそうです。ただ、その職種は、未経験である上に新卒がやるような仕事でした。

受け入れる理由はありません。そこで、退職勧奨を拒否したらどうなるか? と聞くと、就業規則に則り、業務命令違反で普通解雇すると言われました。

突然のことで、全くどうしたらいいかわかりません。

A.  退職を望まないなら毅然と拒否すること

一方の契約当事者が「この契約を破棄したい」と考えてその意思を他方当事者に伝え、両者合意のもとで契約を解消することは、労働契約以外の場面でも普通に見られ、それ自体は違法ではありません。

しかし、その申し出を持ち掛けられた他方当事者が、その申し出を受諾するかしないかは自由です。それを拒否したからと言って何らかのペナルティが課せられるものではありません。

「年俸10%減」「配置転換」は、それぞれがそれ自体、合法的な手続きで行えるかどうかの問題であり、退職勧奨とは何らの関連性もありません。

賃金の引き下げは、合意によって行うのが大原則で、例外的に労働契約法第10条の就業規則の変更手続きによる場合が考えられます。この手続きでは、経営上の必要性の要件があり、「退職勧奨を拒否したから」という報復的対応では必要性が認められない場合が多いでしょう。

配置転換については、いかなる労働契約を締結しているかによりますが、わが国の通常の正社員労働者の場合、会社の事業として必要とされる事業にはいかなる業務であっても就労するという合意になっている場合が多く、未経験だからとか希望しない職種だからということは業務を拒否する理由にはなりません。

ただし、使用者の命令が裁量権の逸脱と考えられるような場合は例外的に違法となります。

今回の場合は「退職勧奨を拒否したら」という条件が付くのですから、不当な目的に基づくものとして配置転換は違法視される場合が多いでしょう。

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