電力会社の株主の「脱原発」提案は否決されたが・・・「株主提案」ってどんなもの?

弁護士ドットコムニュース / 2013年7月9日 12時21分

写真

関連画像

東電や関電など、電力9社の株主総会が6月下旬、一斉に開かれた。2011年3月の福島第一原発の事故以降、電力各社の総会では、会社側が推進する原発政策の転換を求める「株主提案」が数多く提出されている。

報道によると、今年は北陸電力を除く8社で計72件の提案があり、関電と東電は過去最多のそれぞれ29件、15件だった。脱原発や廃炉関連の提案は72件中32件にのぼったが、すべて否決されたという。

この「株主提案」、必ずしも大株主でなくてもできるようだが、具体的にはどれぐらいの株を持っていれば出せるのだろうか。提案の中身はどんなものでもいいのだろうか。さらに、もし可決されたら、企業はどんな提案でも受け入れなければならないのだろうか。会社法にくわしい大和弘幸弁護士に聞いた。

●株主は会社に「議題」と「議案」を提出できる

「株主提案」といっても何をどう提案すればいいのだろうか。たとえば「会社は原発を廃止しろ」と書いて出せばいいのか。

「そう単純なものではありません。会社法では、株主は、株主総会で特定の『議題』や具体的な『議案』を提案する、と規定されています」

「議題」と「議案」とは字面が似ていてややこしい。このふたつはどう違うのだろう?

「『議題』というのは『取締役選任の件』や『定款変更の件』など総会で討議をする対象のことですね。議案の方は、『議題』に対する具体案、たとえば『A氏を取締役とする』とか『定款に原子力発電所の廃止という章を新設する』というのがそれに該当します」

なるほど、電力会社に原子力発電所の廃止を求める提案をしたいときには、「定款変更の件」という「議題」や「定款に原子力発電所の廃止という章を新設する」という「議案」が必要になるわけだ。それでは、「議題」は、どのような株主が提案できるのだろうか?

「株式を上場している会社では,議決権300個以上か、総株主の議決権の1%を、6か月間引き続き保有している株主に認められます。1議決権=100株である東電の場合、3万株以上ということになります」

これは一人の株主でなくても、同じ議題を提案したい株主が集まって規定の株数になればOKだ。一方、「議案」提案の方は、「株数の要件はなく1議決権でも可能」ということだ。ただし、次のような条件がつく。

「株主からでも会社からでもいいのですが、議案に対応する『議題』が提案されている必要があります。今年の東電の総会の場合だと、会社は『取締役選任の件』という『議題』しか提案していません。原発を廃止する定款変更を求めるためには,300議決権以上保有する株主が『定款変更の件』という『議題』を提案する必要があります」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング