2017年から「マタハラ防止措置」事業主に義務化、「脱長時間労働の突破口に」

弁護士ドットコムニュース / 2017年1月3日 10時22分

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セクハラやパワハラの認知が広がるなか、近年新たに注目されているのが、妊娠・出産などに関する嫌がらせ「マタハラ(マタニティハラスメント)」だ。2017年1月1日には、マタハラ防止措置が盛り込まれた改正育児・介護休業法が施行された。

法改正によってマタハラの被害を防ぐことはできるのか。そもそも、マタハラにあたるのはどのような言動、対応なのか。マタハラ問題に取り組む圷(あくつ)由美子弁護士に聞いた。(取材・構成/ ライター・吉田彩乃)

●法改正のポイント

ーー「マタハラ」をめぐる法改正とは、どのような内容なのでしょうか?

近年、職場の上司・同僚から妊婦に投げかけられるハラスメント言動などが「マタハラ」として社会問題化しました。これを受け、2016年3月、均等法・育児介護休業法が改正され、いわゆる「事業主のマタハラ防止措置義務」が新設されました。

これは、事業主に対し、マタハラにあたるような上司・同僚らの言動を防止する措置を具体的に講じなさいと義務付けるものです。事業主は、この措置を2017年1月1日から始めなければなりません。

ーー具体的には、事業主はどんな措置を講じる必要があるのでしょうか?

(1)事業主自らがトップダウンで、職場でのマタハラは許さない、マタハラを行えば厳正に対処するという方針を明確に打ち出すことや、(2)適切に対応できる相談窓口などを整備すること、(3)相談が来たら、事実確認から行為者処分まで迅速かつ適正に対応することなどが義務付けられています。

これらは既にセクハラについて義務付けられているものですが、マタハラの場合、上記に加え、独自の措置義務として、新たに「業務体制の整備など、事業主や妊娠等した労働者その他の労働者の実情に応じ、必要な措置を講ずること」という内容が加わっており、この点は注目です。

ーーなぜ「業務体制整備」の措置義務について注目すべきなのでしょうか?

妊婦のいる職場において、妊婦が長期間休んだり、妊婦の業務が軽減された場合、事業主が何の措置も講じなければ、そのしわ寄せをまともに受けるのは、同僚たちということになります。

しかし、そうしたしわ寄せがいかぬよう、業務に穴が開く実情に応じ、必要な措置を講じなければならない責任を負うのは、ほかならぬ事業主です。今回、この点が、「業務体制の整備など、事業主や妊娠等した労働者その他の労働者の実情に応じ、必要な措置を講ずること」として規定され、事業主の義務として、改めて確認されるに至りました。

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