天井から「ドスーン!」上階住民の騒音に「ドア蹴り」はダメ? 正しい交渉法とは

弁護士ドットコムニュース / 2017年1月6日 10時3分

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上階の騒音主に耐えかねて玄関のドアを蹴りに行ったら、警察を呼ばれ、「マジ許さん」と憤る人物が、インターネットの掲示板に書き込みを投稿した。

投稿者によると、上階の人物は子持ちの「ギャル」で、「ソファーとか運んでて急に手離してドスーン!!って音するからマジでむかつく」という。投稿者は「聴覚過敏」で、上階の住人にもその旨は伝えたが、「あなたが引っ越せば?」と開き直られたそうだ。

仕返しをしたくなるほど近隣の騒音に悩んでいる人は少なくないようで、ネット上には「お経を流す」「アロンアルファを鍵穴に流し込め」といった書き込みもあった。ただ、騒音主への仕返しに法的な問題はないのか。集合住宅の騒音トラブルにはどのように対処すべきなのか。村頭秀人弁護士に聞いた。

●騒音主に仕返しは「非常に不適切な対処方法」

「上階の騒音に対して憤るあまり、相手の玄関のドアを蹴ることは、当然ながら非常に不適切な対処方法です。ドアを蹴られた相手としては、単なるいたずら・嫌がらせなのかあるいは自分の立てる騒音への抗議の意味なのかもわかりませんし、ドアを蹴る人が具体的に何を要求しているのかが全くわからないからです。

また、事例にあるような、アロンアルファを鍵穴に流し込むことももちろん不適切です。実行した場合、軽犯罪法違反や刑法の器物損壊罪に問われる恐れがあります」

村頭弁護士はこのように述べる。近隣住民の騒音に対しては、どのように対処すればいいのだろうか。

「騒音を立てる相手にコンタクトして、冷静に話し合いをすべきですが、その場合、相手と一対一で相対するのは避け、第三者に立ち会ってもらうほうがよいでしょう。

話し合いの内容についての証人がいたほうがいいですし、相手が激昂して暴力をふるうということもあり得なくはないからです。第三者としては、賃貸住宅であれば大家さん、区分所有住宅であれば管理組合の理事といった人が考えられます」

大家や管理組合との話し合いで解決しない場合、裁判に持ち込むしかないのだろうか。

「裁判に訴えれば、騒音主への損害賠償請求と、騒音発生の差し止め請求をすることになるでしょう。しかし必ずしも、裁判がベストな解決法とは言えません。騒音問題は隣人間の問題であり、隣人関係は紛争終結後も続いていくことから考えても、裁判で白黒をつけるより、話し合いで双方が納得できる解決を目指すべきです。

話し合いをするための方法としては、裁判以外にも、都道府県公害審査会の調停を申請したり、あるいは区市町村の公害苦情処理担当部署に相談するなどの方法があります。衝動的に『裁判をするしかない』と考えるのではなく、よく検討して、紛争解決手段を選択すべきでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
村頭 秀人(むらかみ・ひでと)弁護士
平成12年弁護士登録、平成21年~24年東京弁護士会公害・環境特別委員会委員長、平成25年4月より東京都環境審議会委員。著書「騒音・低周波音・振動の紛争解決ガイドブック」(慧文社、平成23年)
事務所名:畑法律事務所
事務所URL:http://www.kougailaw.jp/

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