「副業解禁」にひそむ落とし穴…労働時間の増加、本業との板挟み、請求しにくい残業代

弁護士ドットコムニュース / 2017年3月11日 10時7分

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副業で年収アップを狙える――。政府は働き方改革の一環で、今後、副業を原則容認する方向に転換する見込みだ。厚生労働省の「モデル就業規則」から副業・兼業禁止規定がなくなると報じられている。また、政府は兼業・副業を普及・拡大するためのガイドラインも作成する。

これまで本業での評価を気にして副業を控えた人たちには朗報といえるだろう。より副業に励むことで「あと10万円、いやいや20万円月収入アップ!」という望みも夢ではない。

一方、インターネット上では「残業カットの口実に使われ、残業代を当てにしているサラリーマンの収入が減る」というネガティブな指摘もある。

実際に副業が解禁される場合、労働者にとってどんなメリット・デメリットがあるのか。企業の労務案件を専門に手掛ける倉重公太朗弁護士に聞いた。

●「自己管理を徹底する必要がある」

「労働者にとって、副業が許可されると、経験が多く積め、スキルの幅が広がるという良い面があります。また、終身雇用や企業の安定成長が見込まれにくくなった現代においては、複数のキャリア・収入源を持っていれば、リスクヘッジや自己防衛ができますね」

企業にとっても従業員にとっても良いことばかりに聞こえる。しかし実情はどうなのだろう。

「もちろんリスクはあります。労働者がいちばん注意すべき点は、事故に遭ったり、健康管理に支障が出てしまったりした場合です。例えば、副業中や副業に向かう途中で事故に遭った場合は、労災支給額は副業分のみから計算される場合があります。そうすると、副業の収入前提の補償となるので、十分な補償を得ることができません」

確かに、ダブルワークは実質的に労働時間が増加するため、体調不良や注意力低下には気をつける必要がありそうだ。

「また、副業に励みすぎた結果、過労状態になって本業の業務に支障がでた場合は、本業の上司や人事労務担当者から、副業をやめるよう注意を受けることも考えられます。本業との板挟みになって副業の就業や成果に支障が出たり、突然副業の仕事を辞めたりすると、それまで積み上げた信用を失うことにもなりかねません。本業の会社としては副業内容を把握することはできないわけですから、副業に際しては、労働者はより自己管理を徹底する必要があるのです」

●残業代は出ない or 申請しづらい

労働基準法は、1日8時間1週40時間を超える労働は「時間外労働」つまり「残業」扱いとなると定めている。つまり、残業代(時間外手当)が発生するということだ。この法律をうまく使えば、本業と副業合わせて、かなり収入アップが期待できるのではないだろうか。

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