独禁法違反のスーパーに「課徴金12億円」 納入業者の「無償派遣」はどこまでOK?

弁護士ドットコムニュース / 2013年7月22日 18時40分

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北海道でスーパーを展開するラルズが、納入業者に従業員の無償派遣などを強要していたなどとして、公正取引委員会から約12億8000万円の課徴金の納付を命じられた。独占禁止法が定める「優越的地位の濫用の禁止」に違反したということだが、同様のケースでの課徴金としては、家電量販店エディオンが課された約40億円に次ぐ金額だという。

公取委によると、ラルズは遅くとも2009年ごろから、取引上優位な立場を利用して、新規出店や改装オープンの際に、納入業者の従業員を無償で派遣させて商品の陳列をさせたり、納入業者に協賛金を支出させたりしていた。また、紳士服特別販売会と称するセールの際に、あらかじめ数量を決めて、納入業者にスーツなどを購入させていた。

今回は、力関係で優位にたつスーパーが、メーカーなどの納入業者に従業員の無償派遣などをさせていたことが問題とされた。しかし、量販店やスーパーでは、メーカーの人が販促のため働いている光景をしばしば見かける気もする。

では、同じようにみえる「無償派遣」でも、独禁法違反にあたる場合とそうならない場合があるのだろうか。また、その境界線はどこにあるのだろうか。企業法務にくわしい鈴木謙吾弁護士に聞いた。

●すべての「無償派遣」が違法というわけではない

――スーパーや量販店への『無償派遣』は法律的に許されるのか?

「そもそも大前提として、どのような条件で取引するかは、当事者間で自由に決めることができます。これを『契約自由の原則』といいますが、『納入業者に従業員を無償で派遣させること』も、基本的に当事者間で自由に決めてよい事柄であり、『無償派遣』が直ちに独占禁止法に違反するというわけではありません。

『無償派遣』というと、納入業者にとって一方的に不利益なことのように思えるかもしれませんが、納入先での売上増加や消費者市場の動向を直接に把握することができることなどからすれば、納入業者の利益になる場合もあります。このような販売促進の効果がある場合には、『無償派遣』を独禁法違反として処分する必要がないことは明らかです」

――そうすると、今回のケースではどこが問題だったのか?

「原則は自由といっても、『無償派遣』を事業者間の自由に任せすぎてしまうと、『下請けいじめ』の温床になる危険があります。そこで、『下請けいじめ』を防止するために、独禁法は、『優越的地位の濫用の禁止』というルールを設けています。今回のケースもこの点が問題になっています。

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