痴漢典型例は「家庭持ち四大卒の会社員」「監視強めても続く」千人の分析で見えた実態

弁護士ドットコムニュース / 2017年8月27日 8時18分

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2017年に入って、電車内で痴漢をしたと疑われてホームから線路に飛び降りて逃げる事件が相次いだ。結局痴漢をしていたかどうかは分かっていないが、これをきっかけに「痴漢冤罪に巻き込まれたらどうすればいいのか」と痴漢冤罪を防ぐ方法に注目が集まっている。

そんな中で「男が痴漢になる理由」(イースト・プレス)という挑戦的なタイトルで、日本初の痴漢の専門書が出版された。著者はこれまで12年間に渡って1000人を超える性犯罪者と向き合ってきたという精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳氏(大森榎本クリニック)だ。

痴漢加害者は一体どういった人間なのだろうか。「必ずしも痴漢は性欲が動機となっている訳ではない」と話す斉藤氏に、痴漢加害者の実態について聞いた。

●痴漢は「性欲異常者」がやるものだというのは的外れ

ーー痴漢をする男性は、「家庭を持った四大卒の普通の会社員」が多いというのは驚きでした。

「痴漢は日常の生活習慣の中で行われる犯罪です。クリニックに通う痴漢加害者の調査結果では、四大卒が最も多い49%をしめていました。『強姦・強制わいせつ 検挙人員の職業別構成比』(犯罪白書 2015年版)と照らし合わせましたが、痴漢加害者の全体数ともそこまで齟齬がないと思います。

またクリニックに通う痴漢加害者のうち、43%が既婚者です。一方で、ほとんど家族は気がつきません。そのため、最初の逮捕で家族に警察から連絡が行くと、奥さんが『冤罪かも?』と思うケースも多いのです。夫婦で性生活があったとしても、隠れて痴漢をしているかどうかは別問題です。

逮捕後に夫のパソコンを見ると、痴漢ものの動画や画像ばかり保存されているのが見つかったという話もありますが、家族もなかなか気づかないですよね。『青天の霹靂』という表現を使う妻が多いので、浮気よりもすごいインパクトかもしれません。クリニックの来院のきっかけには、家族が『痴漢で複数回逮捕され、家族もどうしていいか途方に暮れ連れて来ました』というのがとても多いです」

ーー著書では、実は痴漢は必ずしも「性欲の解消」を目的としている訳ではないと指摘していますね。

「男性ホルモン(テストステロン)の分泌が一番活発な時期は、15歳頃といわれています。もし性犯罪者=性欲が強い人とするならば、その時期の男性による性犯罪が多発しているはずですが、実際はそうではないです。また、彼らの半数以上は痴漢時に勃起していません。犯行後に駅のトイレなどで射精をするタイプも稀です。つまり、痴漢加害者は必ずしも『異常な性欲の持ち主』とは言えないのです。

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