「生活保護費引き下げ」に反対!大規模な「集団審査請求・訴訟」を起こすのはなぜ?

弁護士ドットコムニュース / 2013年8月20日 17時30分

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生活保護費の引き下げが、この8月から始まった。政府は今後3年かけて、保護の基本部分である「生活扶助費」を平均6.5%、最大10%引き下げる予定だ。これに対して、受給者や支援者団体などが全国的な集団審査請求・訴訟を起こすことを計画している。

生活扶助費とは、食費・被服費・光熱費など、最低限必要な生活費のことだ。物価の高い東京都区部の場合、基準額は高齢者単身世帯(68歳)で月8万820円、高齢者夫婦世帯(68歳、65歳)で12万1940円(厚労省の資料より)。昨今、不正受給や子だくさん家族の「意外と高い」生活保護費がフォーカスされ、一部でバッシングの対象にもなっているが、典型的な高齢者世帯だと支給額はこの程度。住宅・医療費が別とはいえ、ここから最大10%減となると、生活は一層厳しくなりそうだ。

集団審査請求・訴訟の準備をしている支援団体や弁護士などは「生活保護費の引き下げは憲法25条に反する」と主張。行政への申立や訴訟を行う計画中だという。この動きの中心となっている尾藤廣喜弁護士に聞いた。

●「過去に前例がない」大幅な引き下げ

なぜ、今回のような集団提訴を目指す動きになったのだろうか?

「今回の生活扶助基準の引下げは、現在の生活保護制度が創られた1950年(昭和25年)以来、前例のない大幅な引き下げです。これは、生活保護を利用されている方々に深刻な影響を与えます」

たしかに大幅引き下げは、生活保護利用者にとって深刻だ。だが、尾藤弁護士は、これは生活保護利用者だけに限定される問題ではないという。

「保護基準が引き下げられれば、労働者の最低賃金の額や年金の給付水準も低くて良いということになりかねません。現に、今年の最低賃金の議論でも安倍首相のかけ声に反して、あまり上昇しませんでした。そのほかにも、就学援助の基準も厳しくなり、住民税の非課税基準も引き下げられることになります」

こうしてみると生活保護費の引き下げは、多くの国民の生活水準の切り下げに通じるようだ。特にワーキングプアの問題と直結している。

「『このままでは生活できない』『最低限度の生活を切り下げるな』という声は、かつてなく広がっています。悪政に対しては、広がった切実な声に基づく、これまで以上の数での法的な対応が必要です」

●全国で一万人規模の「審査請求」を予定

これが今回の集団提訴計画の理由だという。さて、前例のない規模になるといわれている集団審査請求・訴訟だが、いつ、どのような手続きで争うことになるのか?

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