広がる「給料前払い」サービス、法律上は借金? 中にはグレーなものも…課題を検証

弁護士ドットコムニュース / 2017年11月18日 9時47分

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給料の前借り・前払いサービスが広がっている。タイムカード情報などをもとに、その時点までの給料を計算し、給料日前でもお金を受け取れるという仕組みだ。

日経新聞電子版(10月24日付)によると、金融庁が把握しているだけで、システムの提供業者は約20社あるという。しかし、中には法律に抵触しかねないものもあるという。

たとえば、弁護士ドットコムニュースの法律相談コーナーには、ある企業の社員から、「給料の前借りとはうたっているものの、実際には給料を担保とした借金の申込だと思います」との投稿があった。

質問主の会社で利用しているサービスは、申し込んだ額から、振込手数料を引いた分が振り込まれるというもの。給料日になると、申し込み額とその6%が手数料として天引きされる。

実際に利用者が6%を超えて支払う状況は想定しづらいが、もし、この6%が「利息」だと判断されると、あくまで法律上の話ではあるが、年利は単純計算で最低72%ほどになり、法定の上限金利を超えてしまう。

このように判断が分かれる部分が、サービス普及の足かせになる可能性がある。杉浦智彦弁護士に法的な課題を聞いた。

●前払いの用のお金を用意しているのはどこ?

そもそも、給料の前借り・前払い自体に問題はないのだろうか。杉浦弁護士は次のように解説する。

「法律上、会社は従業員に対して、貸金業登録なくお金を貸すことができます。

ですが、従業員が会社に、今月ピンチなので給料を『前借り』していいですか、と求めるときは、多くの場合、利息もないので、『借金』ではなく、給料の『前払い』と考えられます。労働契約も売買と同じく、合意さえあれば先払いが可能です」

「借りた」のか「先払いしてもらった」のかの区別は難しそうだが、利息の有無が1つの目安になるそうだ。

では、近年増えている、給料日前でもお金を引き出せるシステムは何がマズいのだろうか。

サービスは大きく、会社が前払い用のお金を用意している場合と、サービス提供者が用意している場合があるという。杉浦弁護士は、「会社がお金を用意していない場合は危険です」と分析する。

「サービス提供業社が手数料を取って、しかも給料を担保にお金を渡すわけですから、法律上は貸金業に該当する可能性が極めて高いだろうと考えられます。厳密には貸金業登録なく行うことは違法と判断せざるを得ない場合がほとんどなのではないでしょうか」

利息制限法上は、手数料も利息とみなされる(同3条)。たとえば、冒頭の相談者の例では、手数料6%で10日しか借りていない場合、年利は200%を超えることになる。利息制限法違反だけではなく、出資法違反で罰則が科される可能性もあるという。

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