佐川氏「証人喚問」、証言拒否を乱発しても問題ない? 偽証罪に問われるポイント

弁護士ドットコムニュース / 2018年3月25日 9時13分

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学校法人「森友学園」への国有地売却に絡み財務省が決裁資料を改ざんした問題で、前国税庁長官の佐川宣寿氏が3月27日、衆参両院で証人喚問されることになったと報じられている。佐川氏は改ざん時に理財局長だった。

毎日新聞などによると、麻生太郎副総理兼財務相は、佐川氏が「交渉記録は破棄した」などと国会で答弁したことに合わせるため改ざんされたと説明するが、野党は「官僚の判断だけで改ざんはできない」と反発している。

改ざんの動機や経緯、政治家の関与の有無などについて質問が相次ぐとみられるが、証人喚問では偽証罪に問われるポイントはどこにあるのか。元裁判官の田沢剛弁護士に聞いた。

●虚偽の陳述とは・・・

「刑法169条は『法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、3月以上10年以下の懲役に処する』として偽証罪を定めており、国会での証言については『議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律(議院証言法)』という法律で同様の規定が設けられています(6条1項)。いずれも国家の審判作用ないしは立法作用等が保護法益となっています」

田沢弁護士はこのように指摘する。では「虚偽の陳述をした」ということについて、例えば以下の2つの観点で、どう考えられるのか。

(1)記憶にしたがって証言しているが、証言が客観的な事実に反している場合でも「偽証罪」に問われる可能性はあるのか(犯罪の現場でAさんを目撃したのに、Bさんだと勘違いして「Bさんを目撃しました」と証言したようなケース)

(2)客観的な事実に合致する証言をしているが、それが記憶に反した証言であった場合はどうか(犯罪の現場で目撃した人物が誰かわからなかったのに、Bさんを陥れようとして「Bさんを目撃しました」と証言したところ、実際にBさんが犯人だったようなケース)

「『虚偽の陳述をした』の意味は、陳述の内容たる事実が客観的真実に反することであると説く『客観説』と、証人の記憶に反することであるとする『主観説』の対立があります。

客観説によると、証人が偽証の意思で陳述したとしても、それが真実に合致している限り、国家の作用が害される恐れはないとして、偽証罪は成立しないことになるわけです。

しかし、そもそも証人とは、自ら体験した事実を記憶のままに述べることが求められているのであって、記憶に反することを述べること自体が国家の作用を害する恐れがあるといえます。そのため、主観説が通説的立場です」

●記憶に反する陳述は偽証罪に問われる

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