ネコの共食いが起きて「ホッとした」 多頭飼育崩壊の壮絶現場

弁護士ドットコムニュース / 2018年3月29日 9時41分

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埼玉県にある一軒家から、このほど計24匹の猫が「救出」された。玄関に足を踏み入れると、猫のフン尿による強烈な悪臭がたちこめ、キャットフードが部屋のいたるところに散乱し、猫の抜け毛も舞いあがる。世話をしきれないほどペットが増えて、劣悪な環境になってしまう「多頭飼育崩壊」だ。この家では、猫同士が「共食い」をすることもあったという。救出の現場に立ち会った。(弁護士ドットコムニュース・山下真史)

●エサをやりはじめた猫が爆発的に増えていった

「きっかけは、子猫を産んだばかりの野良猫にエサをやりはじめたことでした」

この家の主婦、A子さんが振り返る。彼女によると、猫のエサやりをはじめたのは、数年前のことだ。やせ細ったトラ模様のメス猫が、小さな庭の片隅にあるブルーシートの下で数匹の子猫を産んだ。不憫に思って、エサをやっているうちに、猫たちはやがて網戸を破って、家に自由に出入りするようになったという。

はじめのうちは、親子3人で猫をかわいがっていたようだ。A子さんも、子どものころ実家で飼っていた猫と重ねていたという。だが、そうこうするうちに、メス猫のお腹がまた大きくなった。ある日、家のタンスの裏で、メス猫は出産していた。一般的に、メス猫の妊娠期間は約60日、さらに1度の出産で5匹程度産むといわれる。その後、猫は爆発的に増えていった。

●猫の「共食い」を見て、ホッとした

猫を救出したこの日、一家は引越しの当日だった。本来なら食事をつくる台所のシンクや戸棚にも猫のフンが落ち、猫の毛が雪のように降りつもっていた。あまりの不衛生さに、思わず「ここって、もう人は住んでいないですよね?」と聞いてしまったが、そうではなかった。床に撒き散らされた猫の尿が、不快感とともに靴下に染みわたる。

「今から思えば、ちゃんと不妊・去勢をしておけばよかったと思います」(A子さん)

猫の捕獲を手伝いながら、A子さんは後悔を口にした。猫の不妊・去勢手術には、1匹あたり1万2000円〜2万円の費用が必要だ。だが、猫は数え切れないくらい増えてしまっていた。近所は犬を飼っている家が多く、「引き取ってもらえなかった」という。猫を救出したNPO法人「にゃいるどはーと」代表の東江ルミ子さんは「状況から考えて、24匹は少ない。もっといたはず」と話す。

「ある日、生まれたばかりの子猫の頭が床にポロッと落ちていました。びっくりしましたけど、猫も動物だから、子猫を食べると聞きました。そのあと、実際に食べている瞬間も見かけました。もちろん、かわいそうと思いましたが、ホッとしました。私たちが飼い切れないから、代わりに殺してくれたんだって」(A子さん)

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