入管施設の死亡事案、2007年以降で13件 「収容者がモノ扱い」の批判も

弁護士ドットコムニュース / 2018年4月25日 10時33分

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東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で4月13日、収容されていた難民申請中のインド人男性(30代)が自殺した。亡くなる前日、男性の仮放免申請が不許可となっており、長期拘束を悲観したとみられている。

不法滞在などの疑いを持たれた外国人は、入管の施設に収容され、審査を受ける。強制送還が決まれば、その日まで施設で待機。しかし、外部との接触が制限されるなど、長らく人権上の問題が指摘されてきた。

入管施設での死亡事案はどのくらいあるのか。弁護士ドットコムニュースの取材に対し、法務省入国管理局は、2007年以降だけで今回も含め13件になると回答した(記事末にリスト)。うち自殺は5件。

入管をめぐっては4月22日にも、収容者に対する人権侵害行為が報道された。共同通信によると、東京入国管理局が2017年6月、虫垂炎の手術をしたばかりのトルコ人男性収容者(29)について、患部の痛みを訴えているのに、約1か月診療を受けさせなかったという。

遺族の代理人として死亡事案を担当したことがある児玉晃一弁護士は、「入管では収容者がモノのように扱われている」と強く非難する。

●収容者を待ち受ける「先が見えない」絶望感

インド人男性が亡くなった東日本入管センターは長期収容施設で、現在約330人が収容されている。もう1つの大村入国管理センター(長崎県大村市)は約80人。短期の場合は、各地の入国管理局に収容される。

自殺の原因について、児玉弁護士は「本人が拘束される理由に納得が行かず、絶望感につながっているのではないか」と分析する。

「たとえば、刑事事件で逮捕された人たちは、冤罪でない限り『仕方ない』と納得できる。でも、本国の迫害から逃げてきたような人たちは、『なんで日本でも捕まるの』となってしまいます」

絶望に拍車をかけるのが、インド人男性も申請した仮放免の仕組みだ。

刑事事件の「保釈」に似た制度だが、保釈では申請から概ね2〜3日で結果が出る。一方、仮放免の申請では、2〜3か月はかかるという。さらに不許可の場合も「総合的に判断」など、具体的な理由は示されない。入所者は「先が見えない」不安にさらされている。

●同じ人間として扱うのは当然のはず

児玉弁護士は2014年3月に東日本入管センターで死亡したカメルーン男性の遺族の代理人として、国と当時のセンター所長を相手にした訴訟を担当している。

この事案では、カメルーン人男性が体調不良を訴え、何時間ももがき苦しんでいたのに、職員は別室のモニターで観察するだけだったという。

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