東京医大「女子は一律減点」、不合格になった元受験生たちは賠償請求できる? 

弁護士ドットコムニュース / 2018年8月3日 15時59分

写真

関連画像

東京医科大が2018年2月に実施した一般入試(医学部医学科)で、女子受験者の得点を一律で減らし、合格者の数を抑えていたことがわかったと報じられた(読売新聞、8月2日)。女子だけに不利な操作は、2011年ごろから続いていたとされ、文部科学省の私立大支援事業を巡る汚職事件の捜査過程で、東京地検特捜部もこうした操作を把握しているという。

医師を目指して必死に受験勉強をしていたのに不合格となり、別の道を選ばざるを得なかった女子受験生も少なくないだろう。東京医大が公表している2018年度入学者選抜状況によると、一般入試の受験者は男子1596人、女子1018人(計2614人)で、入学者は男子71人、女子14人(計85人)だった。単純に割合でみても、女子の方が狭き門になっている。

今回の問題はまだ全容が明らかになっていないが、公正な選抜が行われると信じて受験し、「不正操作」により不合格となったとして元女子受験生が東京医大の法的責任を追及することはできるのか。教育問題に詳しい高島惇弁護士に聞いた。

●東京医大、説明義務違反で賠償責任も

ーー法的な問題点を教えてください

「まず、受験段階における説明義務違反の問題が挙げられます。すなわち、受験申込みの段階に当たり、申し込むか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を受験者へ提供しなかった場合には、大学は、申込みにより被った損害について、不法行為に基づく賠償責任を負う可能性があります。

仮に『女子の定員数が男子よりも大幅に低い』という情報が事前に提供されていた場合、他の大学を受験するとの判断に至った受験生は一定数存在したものと思われるため、説明義務違反として損害賠償請求が認められる余地はあります。

また、刑事事件としても、意図的に情報を提供せずに受験者を集めた場合には、理論上、詐欺罪が成立する余地はあるかもしれません」

ーー女子受験生が平等に扱われていないという指摘もあります

「はい。仮に定員数を事前に公表していた場合でも、平等原則違反を検討する必要があります。一部の報道によると、不正操作の理由として、女性医師が結婚や出産を理由に離職した場合、系列病院の医師が不足するおそれがある点を挙げています。

しかしながら、女性医師が皆結婚や出産するわけではありませんし、仮に結婚または出産してもすぐに現場復帰するケースは十分考えられます。だとすれば、女性だからという理由で一概に離職のおそれを指摘するのは到底合理性があるとは考えられませんし、かえって女性の社会進出を阻む価値観です」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング