「大阪は淫行特区」のワケ 生徒にわいせつ行為の教育実習生「不起訴」を考察

弁護士ドットコムニュース / 2018年9月16日 9時43分

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実習先の中学校の生徒にわいせつ行為をしたとされる教育実習生について、大阪地検が不起訴とした処分は不当だとして、大阪第2検察審査会はこのほど、「起訴相当」と議決した。

報道によると、実習生は、当時14歳だった生徒と大阪市内の駅で待ちわせて、ホテルの部屋でわいせつな行為をしたとされていた。大阪地検が児童福祉法違反(児童淫行罪)の疑いで捜査したが、不起訴としたため、生徒側が不服として、検察審査会に申し立てていた。

大阪第2検察審査会の議決書(8月23日付)は、(1)「被害生徒の未熟さに乗じ、行為を拒否するのが困難な状況を作出した」(2)「中学生の判断能力と責任を成人の場合と同様とした不起訴処分には到底納得できない」――と指摘したという。

今回の事件をめぐり、わいせつ事件にくわしい奥村徹弁護士は「起訴はむずかしいのではないか」と指摘する。そもそも、なぜ不起訴になったのだろうか。児童福祉法違反以外の罪に該当する可能性はないのだろうか。奥村弁護士に聞いた。

●「児童淫行罪は成立しにくい」

――そもそも、なぜ不起訴になったと考えられますか?

「問題の条文は、『児童に淫行をさせる行為』(児童福祉法34条1項6号/児童淫行罪)という構成要件となっています。次のような判例があります。

『(させる行為)とは、直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為をいうが、そのような行為に当たるか否かは、行為者と児童の関係、助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯、児童の年齢、その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断するのが相当である』(最高裁決定2016年6月21日)

児童淫行罪の法定刑は、最高懲役10年です。『学校の教師と生徒』『親子関係』など、何らかの支配権限を背景にした影響力があって、ある程度継続的な関係が予定されています」

――教育実習は該当しないのでしょうか?

「一般論ですが、教育実習というのは、教育職員免許法施行規則第6条に基づき、2〜4週間、教育現場で実習するものであって、教員の権限はありません。

先ほどの判例でいえば、『行為者と児童の関係』『児童の意思決定に対する影響の程度』が弱いです。そのため、今回のケースで、検察官は、児童淫行罪での起訴を断念したものと思います。

検察審査会の議決でも、次のような事実認定をしています。

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