なぜ出生届の婚外子記載は「合憲」と判断されたのか?背景にある最高裁の考え方とは?

弁護士ドットコムニュース / 2013年10月15日 18時15分

写真

関連画像

結婚していない男女間の子ども「婚外子(非嫡出子)」への差別問題に関して、9月26日に下された最高裁判決に注目が集まっている。最高裁が、出生届に嫡出子か非嫡出子かを記載するよう義務づけた戸籍法の規定について、「(法の下の平等を定めた)憲法14条1項に違反しない」と判断したからだ。

裁判は、「婚外子チェック欄が未記入のままの出生届を受理しなかったのは、憲法違反だ」として、事実婚の家族が国などに対して慰謝料を求めた、という内容。訴えは一、二審で退けられ、最高裁でも、5人の裁判官が全員一致で「違憲ではない」と判断した。

一方、婚外子の相続分を半分とする民法の相続規定については、最高裁が9月4日に「違憲」と判断したばかりだ。なぜ「出生届」と「相続」で、最高裁の判断に差が出たのだろうか。内山知子弁護士に聞いた。

●二つの裁判の違いはどこにある?

「相続差別が問題とされた9月4日の事案は、民法上の規定が『憲法違反・無効』だと訴える内容でした。

一方、9月26日の事案は、国が戸籍法の規定を撤廃しなかったこと(立法不作為)や、行政機関が出生届を受け付けず、子の戸籍・住民票を記載しなかったこと(不作為)が違憲だと主張したうえで、国家賠償法上の損害賠償を求める、というものでした。

つまり、後者は、国会や地方行政が『何もしなかったこと(不作為)』の違法性が問題とされたわけで、そこが9月4日の事案とは違います」

このように内山弁護士は、両者の違い説明する。そのうえで、その背景にある最高裁の考え方について、次のように述べる。

「判決でハッキリとは言及されていませんが、最高裁の判断を左右したのは、立法裁量・行政裁量の限界をどのように考えるのか、という点にあったと思います。

国会による法律の制定や改廃にはそれなりの準備も必要ですし、行政による政策の実施には専門的な判断が必要です。そこで裁判所は、立法行為や行政行為の違憲性を審査する場合には、そもそも国に広い裁量を認めているという考えが一般的なのです」

●戸籍法は「高度に専門的な行政実務の法律」

そうした観点から、2つの裁判を比較すると、どうなるのだろうか?

「9月4日の最高裁決定では、問題が『私法』である民法上の規定であることに加え、不利益を回避する方法がないことなどが考慮され、国の『立法裁量』を考慮しても、違憲とされたのだと思います。

一方、9月26日の最高裁判決は、戸籍法という『実務の拠り所となる、高度に専門的な行政実務の法律』の問題ですから、立法裁量・行政裁量を広く認めたのだと思われます。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
日本最大級の弁護士/法律ポータルサイト。23万件の相談実績。無料法律相談・弁護士ランキング・口コミ弁護士検索でお悩み解決。他にも弁護士費用の見積比較・法律Q&Aなどの豊富なサービスとコンテンツで「インターネットを通じて法律をもっと身近に、もっと便利に。」

トピックスRSS

ランキング