「経営者の息子」聞こえはいいけど「月給5万円」…親子なら給料は自由?

弁護士ドットコムニュース / 2018年11月14日 9時43分

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「親が経営している会社で働いているんですが、給料が5万円まで下がっています」ーー。弁護士ドットコムにこんな相談が寄せられました。

相談者の男性によると、会社の業績が悪化しているわけではなく、「無駄遣いをするから」などの理由をつけられているそうです。

親族とはいえ、一方的に給料を下げても問題はないのでしょうか。今井俊裕弁護士に聞きました。

●職場に「同居の親族」以外がいるかで考え方は変わる

「給料の一方的な引き下げの有効性、適法性については、同居の親族のみが働いている職場か否かで適用される法律が異なってきます」と今井弁護士。

まず、同居親族以外の一般の労働者がいる場合はどうなるのでしょう。

「同居の親族以外の方も就労されているならば、労働契約法や労働基準法が適用されます。とすれば使用者の一方的な意思による引き下げは無効です。

労働契約法では、労働条件の変更は合意によらなければなりません。また就業規則や賃金規程に、ある場合は賃金の引き下げができるなどと書いてあったとしても、その理由が単に『無駄遣いをするから』というような理由による引き下げは無効です。

一旦労働者が受領した賃金の使途は労働者の自由であり、無駄遣い云々は使用者から批判されることではありません」

●同居親族のみの職場では「労働契約法」の適用がないが…

では、同居親族のみの職場ではどうでしょう。

「この場合は労働契約法の適用がありません。要は同居している親族という経済利益上の強い結びつきがあるので、あかの他人が雇用されて働いていることが想定されている一般的な職場に適用されるべき法律が介入することは逆にさけた方がよい、との判断からです」

そもそも同居してなければ、親族でも特別扱いされないわけですね。しかし、同居していれば、賃金は使用者が自由に変えられるということなんでしょうか。

「労働契約法の適用がないからといって、賃金を一方的に引き下げできるのかというと、それは違います。

その場合でも民法の雇用契約の適用があり、賃金額を含めて合意が成立した以上は、やはり合意がない限り契約内容の変更はできません。いずれにせよ、今回の引き下げは無効です」

使用者の一方的な意思で賃金を引き下げてはマズいということですね。

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
今井 俊裕(いまい・としひろ)弁護士
1999年弁護士登録。労働(使用者側)、会社法、不動産関連事件の取扱い多数。具体的かつ戦略的な方針提示がモットー。行政における個人情報保護運営審議会、開発審査会の委員を歴任。
事務所名:今井法律事務所
事務所URL:http://www.imai-lawoffice.jp/index.html

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