「破産者マップ」の法的問題を徹底検証…公開情報でも転載が問題視される理由

弁護士ドットコムニュース / 2019年3月23日 10時0分

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官報で公開された破産者情報(住所、氏名など)をGoogleマップで可視化した「破産者マップ」騒動。

各所から強い反発が起こり、運営者はツイッターで「結果的に多くの方にご迷惑をおかけしたことは大変申し訳ございませんでした」と謝罪し、サイトの閉鎖を発表した。

今回の「破産者マップ」は結局のところ、どのような法的な問題があったのだろうか。金田万作弁護士による詳細な解説をお届けしたい。

●官報の転載、不法行為が認められた裁判例の一方、許容された裁判例も

そもそも、官報にはどのような情報が掲載されているのか。

「官報とは、政府(内閣府)が出す、法律、政令、条約や公告等を掲載する印刷物で、法律、政令、条約等の公布を国民に広く知らせる役割があります。

発行日の官報は国立印刷局及び東京都官報販売所に掲示するほか、インターネットで配信したり、官報販売所で販売したりもしています。過去の分は図書館などで閲覧でき、インターネットでも『官報情報検索サービス』や『インターネット版官報』で、閲覧できます(一部有料)」

官報の情報は自由に転載しても問題ないのか。

「官報に掲載され、公開された情報でも、これを自由にインターネットなどで転載できるかどうかは別の問題です。

例えば、会社の登記では代表取締役の住所・氏名が登記事項とされ、誰でも、その登記事項証明書の交付を受ければ容易に知ることができ、インターネットでも『登記情報提供サービス』で閲覧可能です。

しかし、同じ情報(代表取締役の人の住所・氏名)をインターネットで公開したことについて、プライバシー侵害の不法行為を認めた裁判例もあります。

また、紙媒体の電話帳に掲載を承諾していても、インターネット上のウェブサイトにおいても公開することまで承諾したものではないとして、住所、電話番号、郵便番号をインターネット上のウェブサイトに掲載したことについて不法行為と認めた裁判例もあります。

一方、約6年前に会社とその代表者が破産したことが、ブログに掲載されたことについて、利害関係者や取引に入ろうとする者が正当に関心を持つべき公共の利害に関することで、官報や登記簿に掲載されて誰でも見ることができ、秘匿性が低い事項であるから、違法ではないとした裁判例もあるようですので、許容される場合もあります。

また、著作権の問題もあります。官報については、著作権の対象となりませんが(著作権法第13条2号及び3号)、インターネット版官報を利用していたとすると、編集著作物として著作権や利用規約(『ご利用に当たって』)にも注意が必要です」

●個人情報保護法違反と名誉毀損、プライバシー侵害

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