コインハイブ事件で無罪判決 弁護人「警察の暴走、食い止められることを願う」

弁護士ドットコムニュース / 2019年3月27日 14時52分

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自身のウェブサイト上に他人のパソコンのCPUを使って仮想通貨をマイニングする「Coinhive(コインハイブ)」を保管したなどとして、不正指令電磁的記録保管の罪に問われたウェブデザイナーの男性(31)の判決公判。

無罪判決が出た後、横浜市で開いた記者会見で男性は「ひと安心という気持ち。裁判について色んな方に頑張れなどと応援の言葉をいただけたので心強かった。感謝しています」と述べた。

●反意図性

この裁判の争点は、以下の3点だった。 (1)コインハイブは不正指令電磁的記録にあたるか (2)「実行の用に供する目的」があったと言えるか (3)故意があったと言えるか

刑法上の「不正指令電磁的記録」にあたるかについては、「反意図性」と「不正性」の2つの要件がある。

判決は、個々のプログラムが使用者の意図に反するものと言えるかどうかは、「プログラムの機能内容や機能に関する説明内容、想定される利用方法などを総合的に考慮して、機能につき一般的に認識すべきと考えられるところを基準として判断するのが相当」と示した。

その上で、今回のコインハイブのプログラムは、▼マイニング実行について同意を取得する仕様になっていなかった▼一般的なユーザーの間でコインハイブが新たな収益化の方法として認知されていたとは認められない

▼男性がコインハイブを設置したサイトは音楽に関するもので、マイニングと関連しているとはいえない▼男性が設定した負荷の程度から閲覧者はマイニングに利用されていることに気づくことはないーーなどから、「サイト閲覧者が閲覧前にマイニングを認知していた、または閲覧中にマイニングに気づいていたものの容認したとみることは到底できない」と指摘。

「マイニング実行をサイト閲覧者などの一般的なユーザーが認識すべきと考えられるものということはできない」と判断し、人の意図に反する動作をさせるべきプログラムと認定した。

●不正性

次に、プログラムによる指令が不正かどうかは、ユーザーにとっての有益性や必要性の程度、プログラムが実行されることによってユーザーに与える影響や弊害の度合い、プログラムに対しての関係者の評価や動向などの事情を総合的に考慮し、「機能の内容が社会的に許容しえるものであるか否かという観点から判断するのが相当」と示した。

コインハイブについては、広告類に変わる新たな収益化の方法として導入されたものであり、「CPUを用いて手軽にマイニングを実行できる点に特色がある」としながら、閲覧者は報酬であるモネロを得られず、同意や意思確認の機会を与えられず回避する可能性もないまま実行させられている部分について「一般的なユーザーの信頼を損なっていることも否めない」と評価。

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