コインハイブ無罪判決の影響は 研究者「同様の問題が起こる可能性」を指摘

弁護士ドットコムニュース / 2019年3月29日 9時42分

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自身のウェブサイト上に他人のパソコンのCPUを使って仮想通貨をマイニングする「Coinhive(コインハイブ)」を保管したなどとして、不正指令電磁的記録保管の罪に問われたウェブデザイナーの男性(31)に、横浜地裁(本間敏広裁判長)は3月27日、無罪を言い渡した。

判決は、コインハイブを「人の意図に反する動作をさせるプログラム」と反意図性を認める一方、不正性については、機能の内容が社会的に許容しうるかどうかで検討すべきと示し、不正な指令を与えるプログラムだと判断するには「合理的な疑いが残る」と結論づけた。 (詳細はこちら→https://www.bengo4.com/c_23/n_9430/)

今後のIT業界に影響を及ぼすとして、注目を集めていたこの事件。裁判の傍聴者やネットでは「無罪でよかった」と安堵の声が上がったが、弁護人が指摘するようにコインハイブの「反意図性」が認められたことなど懸念もある。

●他のプログラムに影響は

「相変わらず問題の根本的な解決にはなっておらず、今後もセキュリティを侵害しないプログラムについて、今回の件と同様の問題は起こる可能性はあるといえる」。

こう話すのは、千葉大学大学院専門法務研究科の石井徹哉教授(刑事法学)だ。

判決は、プログラムが使用者の意図に反するものかどうかは、機能に関する説明内容や、想定される利用方法などを総合考慮して、機能が「一般的に認識すべきと考えられるところを基準として判断するのが相当」と示した。

この点、石井教授は「機能がどのようなものかということをまず基軸に判断すべき点を弱めてしまう」と指摘する。

コインハイブについて判決は、マイニングが実行されていることを「一般的なユーザーが認識すべきと考えられるものということはできない」などとして反意図性を認めた。

石井教授は「反意図性を判断するのに、個々のプログラムの利用方法や機能に関する説明を重視しているため、この枠組のなかでの判断としては問題ないともいえる」としながら、「トラッキングやアクセス解析、クッキーなどもその具体的内容を一般的に認識しえるものとはいえなくなり、その機能の存在や具体的内容を説明した上でないと設置できなくなるということも考えられる」と指摘。他のプログラムに影響を及ぼす可能性があるとした。

●「意図に反した機能、前提で判断すべき」

石井教授がもっとも問題視するのは、不正性の部分の認定だ。

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