働き方改革逃れ? 雇用からフリーランスへの切り替え、「働かせ放題」になる危険性

弁護士ドットコムニュース / 2019年6月1日 8時47分

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2000年代に入り「フリーランスで働く」という生き方がさまざまなメディアで喧伝され、多様な働き方が注目されている。以前から、フリーランスのライターは目立った存在だったが、最近はエンジニアや美容業界にもその流れは広がっている。

都内在住、30代後半の男性Aさんもそんなひとりだ。大学卒業後、一度は正社員として就職するも、30代前半で退社。次に選んだのはフリーランスエンジニアという道だ。Aさんは、とある企業と業務委託契約を結び、フリーランスのエンジニアとして働き始めたが、最初に報酬が支払われたのは3カ月後。その間、会社員時代の貯金を切り崩し、なんとか生活することができたという。会社員であれば月に一度賃金が支払われるが、3カ月後の報酬の支払いに問題はないのだろうか。(ライター・本多カツヒロ)

●労働の実態があり、労働者と認められれば労基法が適用

「フリーランスの方の多くはAさん同様、業務委託契約や請負契約を結びますが、これらは労働契約ではありません。ですから、労働法が適用されず、業務委託料や報酬の支払い時期は契約次第になります。極端な例で言えば、納品から半年後に支払うということでも法律上は問題ありません」と話すのは、労働法に詳しい竹花元弁護士。

Aさんは、業務委託だったが出退勤の時間や作業をする場所も決められており、会社員となんら変わらない働き方をしていた。

「業務委託契約や請負契約であるか労働契約であるかは、契約書に書かれた名称ではなく、実態によって判断されます。フリーランスで、取り交わした契約書の表題が『業務委託契約』や『請負契約』であっても、労働の実態があれば、労働基準法の定める労働者に該当しますし、労働基準法以外の労働法も適用されます。労働者であれば月に1回以上の賃金の支払いが法律で決められています」(同弁護士)

労働法とは、労働基準法や労働契約法、最低賃金法、労働者災害補償保険法、男女雇用機会均等法などの総称。労働基準法9条では「この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」と定められている。

労働基準法で定められている労働者とは、厚生労働省のホームページの「労働者性について」が参考になる。ここでは労働基準法の労働者の判断基準として「使用従属性に関する判断基準」と「労働者性の判断を補強する要素」に大きくわけられている。

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