「特定の病気」への偏見を助長する!? 自動車事故「厳罰化法」の問題点とは?

弁護士ドットコムニュース / 2013年11月21日 16時38分

●問題なく運転できる「患者」が大半を占めている

この新ルールには、どんな問題点があるのだろうか。

「いま懸念されているのは、法律が病名を特定することによって、その病気が自動車の運転に支障を及ぼす危険なものである、との誤った偏見を形成・助長するおそれです」

どういうことだろうか?

「特定の病気の患者が事故を起こせば、すぐにこの条項が適用されると考えるのは『誤解』だということです。

本来、この法律が処罰しようとしているのは、たとえば、てんかんの持病を申告せずに運転免許を取得し、服薬を怠って運転し、てんかんの発作により運転が困難になった結果、人を死傷させたような場合です

現実的には、てんかん患者であっても、治療により運転適性を有する状態を維持している人が大半を占めています。このような方々は、新しい法案の処罰対象には含まれてこないでしょう」

残念ながら、こうした話は、まだ十分周知されているとは言えなさそうだ。

「このままだと、特定の病気だけを理由に処罰されるという『誤解』が国民に広まってしまう可能性があります。そうなってしまえば、病気に対する差別が助長され、患者の社会参加を妨げることにつながりかねません」

ごく一部に悪質なケースがあったからといって、それが患者全体の差別につながるような事態は、絶対に避けなければならないだろう。宮田弁護士のこうした思いが、一人でも多くの読者に伝わることを願いたい。

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
宮田 卓弥(みやた・たくひろ)弁護士
福岡県弁護士会所属(平成14年弁護士登録)
福岡を中心に九州の被害者の交通事故事件を多数扱う。特に、事故直後から後遺障害を負った被害者の救済に力を入れている。
事務所名:弁護士法人たくみ法律事務所
事務所URL:http://www.miyata-kotsujiko.com/

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