批判が噴出した「Yahoo!スコア」問題、板倉陽一郎弁護士が考える論点

弁護士ドットコムニュース / 2019年6月15日 10時43分

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ヤフーが打ち出したビッグデータ活用サービス「Yahoo!スコア」。ヤフーは6月3日、ユーザーの購買履歴や行動履歴から独自に算出した「信用スコア」を生成し、7月1日から外部企業への提供を行うと発表した。

ヤフーはスコア提供はユーザ本人から同意を得た場合で、本人の利益になる場合にしか提供しないと説明を行っている。しかし、デフォルトの設定で、スコア算出が行われ、それを止める方法が分かりづらいなど、多くの識者から問題点が指摘されている。

また、スコアを本人が確認できる仕組みのあり方や、他サービスとのID連携に対する同意がそのままスコア提供への同意となっていることなども懸念されている。Yahoo!スコアの問題点について、板倉陽一郎弁護士に聞いた。

●実証実験時の「同意の抱き合わせ」、問題があった可能性

ーーID連携がそのまま信用スコアの提供になる「同意の抱き合わせ」は適法なのでしょうか?

「ここで問題になっている『同意』は、個人情報保護法23条1項柱書における第三者提供にかかる『本人の同意』ですが、個人情報保護委員会は同意の法的性質について、『本人の個人情報が、個人情報取扱事業者によって示された取扱方法で取り扱われることを承諾する旨の当該本人の意思表示』であると解しています(『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)』(平成28年11月(平成29年3月一部改正))2-12)。

同意が本当に意思表示なのかについては議論が必要だと思いますが、ここでは個人情報保護委員会の解釈に従っておきましょう。

さて、意思表示の解釈方法については民法上、深遠な議論がありますが、通説的には、当事者の合意の意味を客観的に明らかにすることとされています。本件においても、客観的に見て、ID連携の際に、利用者が同意した『個人情報取扱事業者によって示された取扱方法』の中に、信用スコアの提供が含まれているかを検討することになります。

今回、『Yahoo!スコア』は、2019年7月1日から提供開始されるとリリースされていますが、実際は、『昨年10月より、パートナー企業とともにスコアを活用したパートナー企業のサービス利便性向上や課題解決、ユーザーに対する特典プログラムの実施等を図る実証実験を行って』来たとされており 、ID連携と同時に、信用スコアが提供されるということが行われていたようです。

その際の文言は、『各種指標 サービス利用状況等に応じた特典の付与のためのスコアを含む各種指標を提供します』というものであったとされています 。『各種指標』という文言で、これ以上説明がなかったとして、2019年7月1日以降一般ユーザーに導入するとされているような、

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