「未来の受験生に女の子だから諦めなさいと言いたくない」東京医大不正入試訴訟で原告女性

弁護士ドットコムニュース / 2019年7月26日 15時58分

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東京医科大の不正入試問題で、性別を理由に不利な取り扱いをされたとして、不合格だった元受験生の女性36人が受験料の返還や慰謝料を求めている裁判の第2回口頭弁論が7月26日、東京地裁で開かれた(谷口安志裁判長)。東京医大側は争う姿勢を示している。

この日は、原告の一人である女性が、意見陳述を行なった。女性は2017年、2018年と2回にわたり東京医大を受験したが、いずれも不合格だった。それでも医師になる夢を諦めずに受験勉強を続ける中、入試で不正が行われ、自分が合格していたことを知らされたという。

「人生で感じたことのない怒り、憎しみばかりが沸いてきました」という女性。「未来の受験生に対し、『あなたは女の子だから、あなたは歳をとっているから、夢を諦めなさい』と言うような大人に自分は絶対なりたくない」と強く訴えた。

●一度も自分より高い点を取ったことのない友人男性が…

「もしかしたら自分は、本当は春に東京医大に合格していたのかもしれない、だとすれば今私が必死に勉強している意味は何なのだろうか、時間の無駄だろうか、頑張っても自分が『女子』として受験するというそれだけの理由で報われないのだろうか、といったことが頭に渦巻きました」

女性は昨年夏、東京医大の不正入試を知った時のことを意見陳述で振り返った。外科医が不足していることを知り、「少しでも助けになりたい」と思い、東京医大を第一志望校として受験していた。

違和感をおぼえたのは、2018年3月のこと。通っていた医学部受験専門の予備校の友人男性が、東京医大に繰り上げ合格をしたと知った時だった。女性はそれまで、模試でその友人男性より、一度も低い点を取ったことがなかった。

意外に思ったが、「受験とはそういうものだ」と自分を納得させ、再び受験勉強に励んだ。その後、東京医大で不正入試があったことをニュースで知り、女子というだけで差別されていたことが頭に渦巻いた。東京医大からは追加の合格通知が届いたが、「嬉しいどころか、人生で感じたことのない怒り、憎しみばかりが沸いてきました」という。女性は今年2月に別の大学に合格、現在はそこで学んでいる。

●大学内にも女性差別の入試を肯定する声

別の大学に入った女性に聞こえてきたのは、東京医大不正入試を肯定するような声だった。

「大学内では、差別を正当化する人も多くいました。病院の元職員の方からは、『女性が増えると病院側も大変なんだよ?女性用の更衣室とか新しく作んなきゃいけないんだし』と言われました。『医学部は職業訓練学校なんだから、学校がどんな生徒を選ぼうと学校の自由』、『差別あるのわかってて受験したのに、何を今さら?』という声も耳にしました」

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