フリーランス、育休給付なく、健康保険も免除されず…出産直後に仕事再開

弁護士ドットコムニュース / 2019年8月11日 8時58分

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正社員なら妊娠・出産の際は、出産休暇に育児休業、出産手当金に育児休業給付と、手厚い支援制度が設けられている。産休・育休中は社会保険料の支払いも免除され、認可保育園に子どもを預けやすい自治体も多い。

しかしフリーランスは、こうした恩恵をほとんど受けられない。フリーランスの女性たちの話からは、経済的な必要性から、産前・産後の体の不調を押してでも、仕事を続ける実態が浮かび上がった。(ジャーナリスト・有馬知子)

●「仕事が途切れるのが怖い」産前産後も働くペース緩めず

埼玉県内に住むフリー編集者の恵さん(仮名、32歳)は、近くに住む両親に育児を手伝ってもらいながら、6歳と2歳の子どもを育てるシングルマザーだ。「両親が育児に協力的な自分は、恵まれている」と話すが、実家は裕福ではなく、金銭的な援助は一切ない。

2人目の出産の時はすでに離婚しており「仕事が途切れる恐怖は強かった」と振り返る。

子どもの保育費や食費など、家計の出費は待ったなしだ。さらに国民健康保険は、出産に伴う保険料支払い免除の仕組みがない。一方、出産に伴う収入は、国保からの出産育児一時金42万円のみ。これは多くの場合、分娩費用で消えてしまう。

恵さんは、出産予定日の1週間前まで、仕事量をセーブせずに働いた。出産直後から、在宅でできるウェブの仕事を始め、1カ月で仕事を通常ペースに戻した。

本来なら、3、4時間おきに授乳しているはずの時期だ。「キャミソールが母乳でびしょびしょになっていることも多かった」。体がむくみやすい、疲れやすいなど産後の体調不良もあった。それでも、年収は前年と同水準をキープしたという。

「社会保険料の負担がとにかく大きい。前年の年収で金額が決まるので、下手に休んで収入が落ちると、保険料の支払いで収入がかなり目減りしてしまう。出産後も働くペースを緩められない」と、ため息をついた。

東京都内で11歳と8歳、2人の子どもを育てるフリーライターの美樹さん(仮名、43歳)は、第1子の出産直前に退職してフリーランスに転じた。産後でもあり収入は大幅減の見通しだったが、保険料は正社員時代の年収で算出されてしまう。結局、夫の扶養家族に入り、支払いを免れた。

扶養に入らなかった第2子の時は、重いつわりに苦しみながら仕事を続け「取材が終わると休める喫茶店などに駆け込む」日々だったという。

●保育園「東大入るより難しい」と職員

恵さんは、フリーランスの肩書がネックとなり、第1子の「保活」に失敗している。当時住んでいた新宿区の職員は「あなたの場合、東大に入るより子どもを保育園に入れる方が難しい」。

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