吉本興業が導入する「専属エージェント契約」、芸人が「買い叩かれる」可能性も

弁護士ドットコムニュース / 2019年8月9日 11時16分

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所属タレントの反社会的勢力への闇営業問題をめぐって、吉本興業は8月8日、東京・新宿の東京本部で、「経営アドバイザリー委員会」(座長:川上和久氏・国際医療福祉大学教授)の初会合を開いた。

報道によると、吉本興業はこの中で、(1)所属タレント全員と書面の契約をむすぶ、(2)これまでの「マネジメント契約」に加えて、新たに「専属エージェント契約」を導入する、(3)タレントが2つの契約形態から選べるようにする−−と明らかにした。

同社の岡本昭彦社長は7月の記者会見で「タレント、社員はファミリー」と話していたが、 同社の口頭契約は問題視されていた。今回の「専属エージェント契約」を導入することで、どんな変化があるのだろうか。芸能問題にくわしい河西邦剛弁護士に聞いた。

●欧米では「エージェント契約」が主流

−−専属エージェント契約とは何でしょうか?

まず、日本の芸能界では、芸能事務所とタレントは「専属マネジメント契約」を結ぶケースがほとんどです。これによって、芸能事務所は、タレントを育成して、メディアに売り込み、仕事を取ってくるという「マネジメント」をすることになります。

このマネジメントには、育成や売り込み営業、契約交渉、スケジュール管理にとどまらず、税務や法務、上京した場合の住居サポートなど、タレントの生活に幅広く及ぶトータルマネジメントになります。日本において、芸能事務所とタレントとの関係に、家族的関係が多い理由はトータルマネジメントにあることが一因ともいえます。

これに対して、「専属エージェント契約」というのは、タレントがトータルマネジメントを受けるのではなく、タレントが中心となって、芸能活動に必要な業務ごとに代理人(エージェント)を選任するというスタイルです。

たとえば、契約交渉、コンサート運営、楽曲制作業務、商品制作・販売、ファンクラブ運営、税務業務、法律業務など、芸能活動に必要な業務を別々のエージェントや税理士、会計士、弁護士などの専門家に委託するということになります。欧米ではこうしたエージェント契約が主流です。

●お笑い芸人の「エージェント契約」は初かも

−−なぜ日本では専属マネジメント契約が多いのでしょうか?

日本では、芸能界に入ったときから有名人というケースは、スポーツ選手や有名コンテスト優勝者というケースを除き、ほとんどありません。まず、有名になるためには、テレビをはじめとしたメディア露出が不可欠です。

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