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「スマホの使いすぎで指が痛い…」整形外科の先生に予防法を聞きました!

美人百花デジタル / 2021年5月20日 20時15分

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なんだか最近指が痛い気がする……。もしかするとそれ、スマートフォンの使いすぎが原因かもしれません!

今回は、「かわかみ整形外科クリニック」の院長である整形外科医・川上洋平さんに症状について詳しくお話を聞きました。

 

テキストサム損傷って一体どんな現象ですか?

スマートフォン(以下、スマホ)の使いすぎにより小指に負担をかけ続けると小指が歪んで変形してしまい、痛みやしびれが生じることを「テキストサム損傷」と呼ぶと言われていますが、スマホの使い過ぎで指が変形することは考えにくいです。

そもそも「テキストサム損傷」という病名は存在せず、サム(thumb)という英語は「親指(母指)」という意味です。海外でも「スマートフォンサム」という俗称がありますが、「テキストサム損傷(text thumb injury)」も含めて、これらは、スマートフォンやゲーム機で母指の使いすぎることで生じる腱鞘炎(けんしょうえん)のことです。

「腱鞘(けんしょう)」とは、指を曲げたり伸ばしたりする腱(けん)を包み、腱が滑らかに動くようにするトンネルのような組織です。指を使いすぎることでここに炎症が起き、指の付け根などに痛みや腫れが生じた状態が腱鞘炎です。痛みを感じて、スムーズに関節の曲げ伸ばしができなくなります。

親指を伸ばす腱の腱鞘炎は別名「ドケルバン病」とも言います。手首の親指側に痛みや腫れがでます。親指を曲げるほう(手のひら)の腱鞘炎は「ばね指」といって、親指の付け根が痛くなり、指を曲げ伸ばしする際に引っかかるようになります。
腱鞘炎は指の使い過ぎで起こることから、手の使いすぎや手首に負担がかかりやすい、子育て中の人、指を良く使う仕事をされる方(パソコンのキーボードやマウスなどで反復的な操作など)、ピアノなど指を多く使う楽器を演奏する人、グリップやボールなどを握るようなスポーツをする人に多いのが特徴です。また、更年期の女性や妊産婦に多いことが知られています。女性ホルモンの分泌に関連すると考えられています。

スマホの長時間使用でも起こることから、俗に「テキストサム損傷(text thumb injury)」とインターネット上などで呼称されたこともあります。片手の親指ばかりを使うスマホの操作を長時間続けてしまうと、親指が酷使され、腱鞘炎の原因になります。無理な姿勢で操作を続ければ、手首を伸ばす筋肉に負担がかかって肘が痛んだり、手指がしびれたりすることもあります。また、前かがみや猫背の姿勢で小さなスマホ画面を長時間のぞきこんでいると、肩甲骨の間にある筋肉が収縮状態を続けて肩こりや首こりになる原因にもなります。こうした症状は、インターネット上などで俗にスマホ肘、スマホ首とも表現されています。

※母指を内側に入れて握りこぶしを作り、手首を小指側に曲げると痛みが生じます。フィンケルシュタインテストでドケルバン病が起きている可能性あります。

この状態になってしまうと治すことは難しいのでしょうか? 治すための方法を教えてください。

腱鞘炎の主な原因は「手首・指の使いすぎ」です。軽症では、安静やクーリング、外用薬で治りますが、ひどくなるとステロイド注射や手術が必要になります。

携帯によって生じる腱鞘炎を予防するには、両手で持つことや、少なくとも1時間に10分間程度は親指や手首を休ませるなど、休憩することを習慣づけるようにすることが大切です。

使用後には、手指のストレッチをすることも効果的です。手指を1本ずつ反らすように丁寧に伸ばすと良いでしょう。

 

教えてくれたのは

かわかみ整形外科クリニック 院長・医学博士:川上 洋平さん

神戸大学医学部卒業。米国ピッツバーグ大学に留学し、膝関節外科、再生医療、スポーツ医学を学び、神戸大学病院、新須磨病院勤務を経て、患者さんにやさしく分かりやすい医療を提供することを目的に、かわかみ整形外科クリニック(神戸市)を開業。日本整形外科学会専門医。

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