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「マスク熱中症」に注意!医師が教える、マスク時代の熱中症対策

美人百花デジタル / 2021年8月18日 20時45分

「マスク熱中症」に注意!医師が教える、マスク時代の熱中症対策

マスクをつけて生活するのが当たり前になった現代。マスクを着用している時は熱中症のリスクが高まる場合があります。現代の生活に適応した熱中症対策を「田場医院」院長・田場史子先生にお話を伺いました。

マスクを着けているときの熱中症対策を教えてください。

(1)激しい運動は避けましょう

マスクを着けて運動すると平常時の運動と比べて心拍数・呼吸数・脈拍・二酸化炭素の数値が上昇し、体温は上昇しやすいという研究結果が報告されています。また、人は呼吸することで冷たい空気を取り込み、あたたかい空気を吐き出して体温を下げるという役割を果たしますが、マスク着用中はあたたかい空気しか取り込めずに熱がこもる原因にもつながります。マスク着用時は熱中症のリスクが高まるため激しい運動は控えましょう。

(2)こまめに水分補給をしましょう

マスクの中は湿度が高いため、喉の渇きを感じにくくなります。また、マスクを外す行為に抵抗があり、水分補給をこまめに行わない傾向が強くなります。のどが乾いてからの水分補給や手が空いた時の水分補給ではなく時間で区切りながらこまめに水分補給をするようにしましょう。

(3)気温・湿度が高いときには特に注意をしましょう

暑さ指数(WBGT【湿球黒球温度】:Wet Bulb Globe Temperature)という言葉をご存じでしょうか。熱中症を予防することを目的に1954年アメリカで提案された指標です。日本では2006年から環境省がWBGTの情報を提供していました。単位は℃が用いられますが、気温だけではなく熱中症の発生と関わりが強い湿度、輻射熱を取り入れて計算されます。暑さ指数(WBGT)28℃を超えると熱中症の発生率が上昇すると言われており、暑さ指数をもとに熱中症気象庁と環境省は、熱中症の危険性が極めて高いと予測される場合に、「熱中症警戒アラート」を令和3年4月から発表するようになりました。LINEアプリでも無料で情報を得られるので、運動するときには確認するのも一つです。

対策以外に、気を付けるべきことを教えてください。

(1)離れているときはマスクを外しましょう

屋外で2m以上の距離が確保できるときにはマスクを外すことが厚生労働省からも推奨されています。運動の合間には人と距離を保ってマスクを外して休息することも大切です。

(2)暑さを避けましょう

涼しい服装をしたり、日傘や帽子を使うことでWBGT測定値が下がり、熱中症警戒レベルも下がるという報告があります。また、なるべく日陰で過ごしたり、運動するならば朝の早い時間や夕方にしましょう

(3)エアコン使用中でも換気をしましょう

エアコンは室内の空気を本体に取り入れて冷却して室内に戻すものであり、空気の入れ替えはできません。そのため、新型コロナウイルス感染対策としてはエアコン使用中でも換気することが大切です。

(4)暑さに備えた体作りをしましょう

暑さに強い体作りも熱中症対策としては大切。私たちは呼吸や汗をかくことで体温調節を行います。冷房のよく効いた部屋で過ごしていると、汗腺の働きが弱まり上手に汗をかけません。すると、高温多湿の環境で上手に体温を下げることができずに熱中症を発症しやすくなります。
体を暑さに慣れることを暑熱順化といいますが、これは毎日の軽いトレーニングで獲得できるもの。個人差はありますが、ウオーキングなど軽い運動を毎日30分継続することで2週間程度で完成すると言われています。また、湯舟にしっかりと浸かって汗をかくことも有効です。しっかりと水分補給をしながら無理のないように取り組みましょう。

熱中症だと判断する基準を教えてください。

2015年に日本救急医学会は熱中症とは「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」であるとしています。つまり、暑さによって体温調節がうまくいかなかったり電解質のバランスが崩れた時にでてくる症状全てを指します。具体的にはめまいや立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、頭痛、嘔吐、倦怠感などがあげられますが、暑い環境の中、体調不良が生じたときは熱中症かも?と考えて対処しましょう。

熱中症の症状が出たときの対処法を教えてください。

意識がはっきりしているようであれば、まずは風通しのよい涼しい部屋へ移動して、しっかりと体を冷やしましょう。水分を十分摂取して症状が改善するようであれば、しばらく休んで帰宅しましょう。水分は失われた塩分などの電解質を含んだスポーツドリンクが望ましく、利尿作用のあるカフェインを含んだコーヒーや緑茶は避けましょう。
意識がぼんやりしている、水分が上手に摂取できないときはできるだけ早く医療機関を受診しましょう。

教えてくれたのは

形成外科・皮膚科・美容皮膚科を併設する「田場医院」田場史子先生

1982年生まれ。高知大学医学部医学科2007年卒。形成外科専門医。淀川キリスト教病院で内科・外科・小児科・ERなどでスーパーローテート研修を積み、臨床医として基本的に必須なプライマリ・ケアに関する知識と技術を修得。2009年神戸大学大学院医学研究科形成外科学へ入局。その後、2018年田場医院に形成外科・皮膚科・美容皮膚科を開設。

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