予防習慣は?ノロウイルス対策について医師に聞きました!
美人百花デジタル / 2022年5月18日 20時15分
だんだんと暑くなり、増えてくるのがノロウイルス。ノロウイルスの症状や予防習慣はきちんと意識していますか? これからの季節に向けて、ノロウイルスについて「たけつな小児科クリニック」の竹綱庸仁先生に伺いました。
ノロウイルスに感染したときの主な症状を教えて下さい
ノロウイルスは主に便の中に存在するウイルスが体内に取り込まれることで発症します。便に触ることでウイルスが付着し、手洗いや手指消毒が不十分であれば、ウイルスが付着した状態で、食べ物をつかんで食べることにより、ウイルスが体内に取り込まれます。さらに、机やドアの取っ手などを触ることで、ウイルスが付着し、他の人が触ることで、感染が拡大していきます。便には数億個のウイルスが存在すると言われており、少量のウイルスなら大丈夫と思いがちですが、ノロウイルスに関しては、ウイルスの数が10個程度でも症状が出現すると言われています。
ノロウイルスが体内に侵入すると、24時間から48時間の潜伏期間の後、体力や免疫が低下した状態では、下痢や嘔吐、発熱などの症状が出現します。健康な人であれば、それらの症状は2~3日で症状が回復しますが、免疫力が未熟な乳幼児や、免疫が低下している高齢者などは症状が回復するのに2~3週間かかる場合もあります。特に、下痢、嘔吐は数回にとどまらず、場合によっては、トイレから出れない状態になることもしばしばあります。その結果、水分をとることができなくなり、脱水状態になるため、外来での点滴や、入院して治療をする必要が出てくることもあります。
ノロウイルスの感染を予防するための生活習慣を教えて下さい
ノロウイルスの予防には、新型コロナウイルスの感染が拡大によって、意識が高まった手指消毒やうがいが非常に有効となります。特に、食事の前の手指消毒を行うことによって、体内へのウイルスの侵入を防ぐことができます。
水道で手をしっかり洗うことだけでも十分予防効果を発揮しますが、家具や調理器具などは洗い流すこと自体できないため、消毒液に頼らないといけない場合もあります。ただし、ノロウイルスに関しては、単に消毒と言っても、使用している消毒液が何かということが重要で、普段消毒で使用しているエタノールでは十分消毒されない場合もあり、次亜塩素酸ナトリウムを使用し、消毒をする方が効果的です。
さらに、ノロウイルスは食物を介して感染することが多いため、調理方法を工夫することが大事になります。ウイルス全般にあてはまることですが、ウイルスは加熱すると、ウイルスの活性がなくなります。ノロウイルスは85~95℃で約2分間加熱するとウイルスの活性がなくなります。したがって、食事をする際には適切な加熱処理をする習慣をつけることで、ノロウイルスの感染を予防することができます。
免疫力アップのために日々できることを教えて下さい
先程お話ししたように、ウイルスが体内に侵入した場合の免疫状態によって、症状の出る、出ないが分かれます。したがって、常に健康な状態を維持する方が、ノロウイルスを含めた胃腸炎にならない確率が上がります。
免疫をアップする方法としては、当たり前のことですが、適度な運動、良質な睡眠、規則正しい食事をとることが大切になります。特に、睡眠と食事に関しては重要で、人は寝ることで体力を回復するため、不眠傾向では日常的に体力が低下している状態であり、ウイルスが少量であったとしても、症状が出てしまう可能性があります。
食事に関しては、偏食傾向であれば栄養のバランスが偏ってしまい、体力の低下につながってしまいます。体力の低下は、同時に免疫も低下してしまうため、栄養バランスの取れた食材を3食とることで免疫を維持することができるようになります。ただし、3食とると言っても、食事をする時間も重要で、夕食は極力21時までにすることが望ましいです。なぜならば、良質な睡眠を確保するには、就寝する2時間前までに夕食を終えることが大事となるため、睡眠時間を確保する点では夜遅くに食事をとることを控えることは大切です。さらに、仕事・育児でなかなかストレスが発散できない状態でも免疫が低下するため、運動や女子会などの個々のストレス発散方法でストレスをためずに生活することで免疫もアップします。
教えてくれたのは
たけつな小児科クリニック 竹綱庸仁先生
2004年、愛知医科大学医学部卒業。同大学で臨床研修終了後、小児科に入局。2013年、奈良県の病院で小児科の立ち上げに従事。2017年、たけつな小児科クリニックを開設。「すべては子どもたちのために」をモットーに、一般的な疾患からてんかんなどの神経疾患、食物アレルギーや喘息、日本でも数少ない小児頭痛を専門とするなど幅広い診療を行う。現在は病児保育室バンビを運営する他、言語発達遅延の子どもに言語訓練を行う児童発達支援施設「のびいく」を運営している。
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