気づかないうちに背中にポツポツが!医師に聞いた「背中のニキビ対策」
美人百花デジタル / 2022年7月25日 20時30分
夏は冬に比べて、どうしても肌の露出が増えますよね。つい見落としがちなのが背中。自分ではチェックしづらいパーツなので、気づかないうちにニキビができていた、なんてことも多いものです。今回は、背中のニキビ対策について、「逗子メディスタイルクリニック」院長の徳永理恵先生に伺いました。
Q.背中ニキビの原因を教えてください。
背中にはいわゆるにきび(尋常性ざ瘡)だけではなく、主に毛包炎(毛嚢炎)と呼ばれる毛根を包む毛包や毛嚢に炎症が起こった状態が多いのが特徴です。毛包炎は、ニキビ がアクネ菌が原因で起こるのに対し、黄色ブドウ球菌やマラセチア菌という真菌(カビの一種)が原因で起こることが多いです。その他に難治性な背中ニキビには好酸球性毛包炎など、ただのニキビだと思っていても、原因が違うことがあり、治療法も異なります。また、背中は皮脂腺が多く、ホルモン感受性が高い(ホルモンの影響を受けやすい)場所でホルモンのアンバランスも原因のひとつです。
Q.背中ニキビにならないためのデイリーケア方法を教えてください。
肌を傷つけないスキンケアが大切で、ナイロンタオルやボディブラシなどでごしごし擦って細かな傷ができると、そのせいで細菌に感染してしまうことがあります。
また、皮膚表面の常在菌のバランスが崩れることで悪さをする菌が増えてしまい背中ニキビが起こるのですが、その原因のひとつに洗い過ぎがあります。洗い過ぎで良性の菌が取り除かれてしまうと、悪さをする菌が増えてしまうのです。
ついついニキビを治そうとして洗ってしまいがちですが、洗うときはたっぷりに泡立てた石鹸やボディソープであまり時間をかけず、そっと洗ってください。頻繁にスクラブなどでケアすることもおすすめできません。
化繊の下着などを着ている方も要注意です。静電気で皮膚のバリアが壊れ、角質が荒れて皮膚が乾燥していくことで細かな傷ができ、そこから細菌が侵入することがあります。下着は汗をよく吸って静電気を起こしづらい綿やシルクなどの自然素材がおすすめです。
そして入浴後はしっかり保湿をしましょう。特に炎症を起こしている皮膚はバリアが薄くなっており、悪循環を引き起こします。また、炎症後の色素沈着を早く治すためにも保湿は有効です。保湿剤にはノンコメドジェニックテスト済み、あるいは低刺激性のものがおすすめです。
Q.できてしまった背中ニキビのケア方法を教えてください。
細かい赤い皮疹がぽつぽつとできている方はマラセチア性毛包炎の可能性があります。ドラッグストアや薬局で買える抗真菌薬が配合されたボディソープなどを使ってみるのがおすすめです。
病院では保険診療で抗菌剤やビタミン剤、保湿剤などの処方ができます。美容医療を行っているクリニックではケミカルピーリングやレーザー治療なども行われます。ケミカルピーリングは角質を取り除くものと理解されていることがありますが、あくまで角質を取り除く作用は副次的なもの。実際には皮膚の奥に「傷ついたよ」という疑似信号を送り、自然治癒力にスイッチを入れ、しっかりとした表皮を作らせることが目的です。もちろん角質も一部溶けますので、異常な角化を起こしている毛穴詰まりなどを取り除く効果やターンオーバーが盛んになるため、炎症後の色素沈着などが早くなる効果もあり、背中ニキビに有効です。最近ではいろいろな種類のピーリング剤が出ていますので、クリニックで相談してみてください。
背中は毛穴も多く、毛が影響する毛包炎のこともあり、脱毛レーザーなどが有効なこともあります。その他、殺菌になるLED治療や高周波治療などもあります。根治が難しい背中ニキビですが、根気よく治療を続けることでコントロールすることができますよ。
教えてくれたのは
逗子メディスタイルクリニック院長 徳永理恵先生
国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。横須賀市立市民病院では美容レーザー外来の立ち上げを行う。
都内美容皮膚科勤務を経て、「医療の力でQOLを上げる」をコンセプトに、2010年逗子メディスタイルクリニックを歯科医の夫と開院。その人本来の美しさをナチュラルに引き出す「美肌プログラム」を提供するとともに、自然・健康・美容のまち“逗子葉山”で、生活の一部としての美容医療を啓蒙している。3人男子の育児にも奮闘中。
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