俳優・間宮祥太朗さんインタビュー「友人の結婚は自分の中で大きな出来事のひとつ」
美人百花デジタル / 2022年7月31日 20時0分
レディたちが気になる「彼」の本音に迫る『#いま彼を知りたい』。今回は、俳優・間宮祥太朗さんのインタビュー後半をお届けします。
何かを選ぶときの判断材料はすべてこれまで起こったこと、感じたこと、出会った人たちからの影響
ーー現在公開中で、間宮さんの最新主演映画である「破戒」は、原作は明治の文豪・島崎藤村の名作で、田舎の一教師・丑松の苦悩を描いた物語には派手さもケレン味もない。でも、押し寄せる葛藤、渦巻く心もようを丁寧に織り込んでいく静謐な世界観はとてもドラマチックだ。
「派手な芝居だから簡単とか、静かな芝居だから難しいって違いは特にないです。ただ、丑松を演じてよかったと思うのは小さな機微をちゃんと切り取って収め、しっかり編集してくれる監督やカメラマンに対しての信頼感が持てたこと。例えば僕の後頭部をずっと映しているシーンがあるんですが、表情がわからないからこそ、想像させるというか。『どういう表情をしているんだろう?』って登場人物に対して見る側の思いがひとつ乗っかるように撮られている。その、見せすぎない感じ、微妙な動きを切り取ってもらえたのは役者としてやっぱりうれしいですよね」
ーー「見せすぎない芝居」を安心してできるようになったのはキャリアを重ねたからこそ。20歳前後の頃は不安になることもあった。
「若い頃は何かフックを見せないと注目してもらえないんじゃないか、印象を残せないんじゃないかって不安でしたね。でも、もし僕が見る側だったら『もっと説明しなきゃ』ってどんどんわかりやすくして情報を差し出されたら、多分引いてしまう。もっと想像する余地が欲しかったと感じるなって思って、ここ数年はリラックスしてできるようになってきました。でも、それって監督やスタッフ、それに受け取る側の視聴者の方や観客の方を信頼していないとできないことで、10年以上この仕事に携わり、いろんな作品を経て変化できた部分だと思います」
ーー確かに「破戒」でも見る側は丑松の秘めた感情を汲み取ろうと、目線やちょっとした動き、少ないセリフの切れ端から〝情報〞を得ようとする。そして集中すればするほど、遠い存在に感じていた文学の中の人=丑松像が鮮やかに立ち上がっていく。間宮さん自身は演じながら共鳴する部分はあったのだろうか。
「明治時代の話ですけど、自分たちとかけ離れた世界じゃないと思いました。日本の歴史の中にある部落差別というものをテーマにしていますが、今も名前がついていない差別は存在する。そこを頭の中で結びつけながらやっていたし、自分がこの作品に参加する意義みたいなものも感じています。ただ、丑松と僕自身はあまり似ていない。僕はすぐ『こう思うんですよね』って言っちゃうので、気持ちを秘めるっていうのがまず無理(笑)。そもそも自分の選択は自分でするべきって両親に育てられてきたので、丑松のように『自分の出自を隠せ』って父親の戒めを守り続ける自信もない。もっと前の段階で好きな道を選んで、それこそ破戒的に生きているんじゃないかな(笑)」
ーー我が道を往く人。でも決して閉ざしていない。むしろ全方位に開放し、受け止め、受け入れ、道を作ってきた。
「僕は俳優になったことも含め、何かを選ぶときの判断材料はすべてこれまで起こったこと、感じたこと、出会った人たちからの影響なんです。それが指針になっているから、その時々で選択するものも移り変わっていく。最近だと友人の矢本悠馬と菅田将暉の結婚には影響を受けました。バラエティーとかでもちょこちょこ言っているけど、2人とも10代の頃から遊んでいて。そしたら、いきなり結婚が決まって、悠馬なんてもうパパですから。その報告を受けた時、ハッとしたというか。時間の流れと、それによる人としての変化を感じて、僕の中では大きな出来事のひとつだったんですよね」
ーーそう聞くとプライベートも俄然気になり、ますます目が離せない。年々存在感が増している間宮祥太朗が今後、どんな影響を受け、何を選択し、どう化けていくのか。〝二枚目の向こう側〞はまだまだ果てしない。
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Profile
間宮祥太朗(まみやしょうたろう)
1993年6月11日生まれ。2008年俳優デビュー。主演を務めた「全員死刑」の他、「翔んで埼玉」「東京リベンジャーズ」など話題の映画に数々出演。現在は主演映画「破戒」が公開中。
Information
「破戒」
©全国水平社創立100周年記念映画製作委員会
島崎藤村の不朽の名作「破戒」を60年ぶりに映画化。舞台は明治時代。主人公・丑松は小学校教師として生徒に慕われながらも被差別部落出身であることを隠していた、いつ出自が露見するかおびえ、心を寄せる志保にも想いが告げられない苦悩の日々。そんな丑松が選んだ道とは?
出演:間宮祥太朗、石井杏奈、矢本悠馬/竹中直人 他
配給:東映ビデオ
丸の内TOEI他、全国にて公開中
掲載:美人百花2022年7月号「#いま彼を知りたい」
撮影/女鹿成二 スタイリング/津野真吾(impiger) ヘアメイク/三宅茜 取材・文/若松正子
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