「頭がズキズキする…」医師が危険な片頭痛の見極め方をレクチャー!
美人百花デジタル / 2023年1月1日 20時0分
日常化するとつらい片頭痛。悩んでいる人は多いのではないでしょうか。今回は、「TCB梅田大阪駅前院」院長の寺西宏王先生に片頭痛の原因や対策について伺いました。
片頭痛の原因を教えてください
何かしらの理由で脳の血管が急激に拡張しズキズキとした拍動性の痛みが生じるのが「片頭痛」です。主にこめかみから目のあたりに発作的な痛みが生じます。片側に現れることが多いですが、両側のこともあります。発作は一度起きると数時間~数日間続くことが多く、その間、匂いや音、光に敏感になるのが特徴です。女性ホルモンとの関連性が指摘されており20~40代女性に起こりやすい頭痛とも言われています。
脳の血管の拡張が原因なので、さまざまな理由で「片頭痛」は起こります。ストレスや肩こりが片頭痛の要因になりますが、逆にストレスから解放されてホッとするときに痛みが強まることもあります。心身のストレスから解放されたときに急に血管が拡張することが原因です。上記の理由から仕事のない週末などに片頭痛が起こることもあります。そのほかタバコやアルコール、寝不足、寝すぎ、女性ホルモンの変動、光や音の強い刺激、疲労、空腹、片頭痛を誘発する食品(チョコレート、チーズ、ワイン、柑橘類など)によっても、片頭痛が起こることが知られています。
片頭痛の対処方法を教えてください
まずはご自身の症状が片頭痛なのかどうか見極めることが重要です。
・ズキズキとした頭痛が月に数回繰り返し、数時間~数日間持続する
・動くと頭痛がひどくなるので、できれば動きたくない
・頭痛時に吐き気がしたり、におい光や音に敏感になる
上記にひとつでもあてはまる人は、片頭痛の可能性があります。このような方はどんな時に片頭痛が起きやすいかを記録して片頭痛が起きやすい状況を避けるようにしましょう。
日常的な予防策としては以下のようなものが挙げられます。
・ストレス解消
ストレスは片頭痛の大敵です。一般的なストレス解消法で十分ですので、趣味やスポーツなど打ち込めることを見つけましょう。適度な運動はストレスの解消はもちろん、メンタルヘルスや生活の質の改善にも有効です。週末は友人や家族とゆっくり食事を摂る、ゆっくりとお風呂につかるなどリラックスできる環境を整えてみるのも効果的です。
・適度な睡眠
適度な睡眠時間の量については個人差があり、基準を設けることはできません。日中に快適に活動できることを目安するとよいです。一般的には最低6時間程度確保すればよいでしょう。逆に8時間以上の睡眠時間は片頭痛を誘発する可能性もあり注意が必要です。日中は日光を浴びる、適度な運動をする、睡眠前は入浴などで体を温める、寝る前にスマートフォンやパソコンは使わない、快適な寝具を使うなど、睡眠の質を高めることも重要です。
・食生活
片頭痛がワインやチーズなどの食品で誘発されるのは有名で、ローマ帝国時代にはぶどう酒は片頭痛のもとといわれていました。赤ワインにはヒスタミン(血管を拡張させ頭痛の原因になる)がとくに多く含まれています。逆に白ワインはヒスタミンが少ないため頭痛の原因にはなりにくいです。ワインを飲む機会が多い方は赤ワインから白ワインに変えるだけでも効果が見込めます。ちなみに蒸留酒にはヒスタミンが含まれませんのでお酒が好きな方にはウイスキーや焼酎がオススメです。空腹で血糖値が下がると頭痛が起きやすいので、忙しいときでも空腹感を感じたら軽く何かを食べるようにしましょう。マグネシウムが足りないと片頭痛がおこりやすくなるため、緑黄色野菜や葉物野菜の摂取でマグネシウムを補うことを意識しましょう。
片頭痛の人は細胞内のミトコンドリアの働きが悪いとされており、ビタミンB2はミトコンドリアの働きを助ける作用があります。ビタミン B2 を多く含むのは、レバー、大豆、卵、葉野菜、乳製品などです。これらの食品を積極的に摂るのも有効です。
上記のような日常的な予防策を行っても片頭痛が起きてしまったら…
片頭痛が起こっているときは、入浴と運動は控えましょう。 血流がよくなって血管が拡張するとかえって痛みが増強します。 予防策としての運動はおすすめですが発作の最中は運動は逆効果です。発作が治まるまで無理せずにリラックスすることを心がけましょう。刺激を避けて部屋を暗くして休んだり、痛む部分をアイスパックや氷で冷やことも有効です。
危険な片頭痛の見極め方を教えてください
・発作の前の前兆
片頭痛発作が始まる前に閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれる前兆が現れることがあります。「火花が散るような」「ギザギザした歯車のような」光がみえたり、視界の一部がその光によって白く遮られたりする症状が特徴的です。前兆のある片頭痛は、脳梗塞のリスクが2倍以上になる危険サインと言われています。このような前兆があれば病院を受診しましょう。
・「はじめて」「突然」「今まで経験したことのない強さ」の頭痛
脳血管障害の可能性がありますので、一刻もはやく専門医療機関を受診する必要があります。
・二次性頭痛
何か別の脳疾患などを原因とした頭痛で、放置してしまうと命にかかわる可能性があるのが二次性頭痛です。頭痛に加えて、下記のような症状がある場合には脳疾患が隠れている可能性があるため、できるだけはやい受診が必要です。
- 体の片側や手足などに力が入らない
- 片側や手足がしびれ、言葉が出にくい
- 呂律がまわらない
- 物が二重に見える
- めまい
- 体がふらつく
- まっすぐ歩けない
- 意識が遠くなる
- 吐き気や嘔吐
- けいれん
- 表情がゆがむ
教えてくれたのは
TCB梅田大阪駅前院院長 兼 TCB特別指導医、二重整形指導最高責任者(関西)寺西宏王先生
約10年間心臓血管外科医として勤務した経歴を持ち、 美容外科にまつわることはもちろんのこと、心臓外科医としての経験から幅広い分野に関して専門的な知識を有している。 また、約100名が在籍している梅田大阪駅前院において、新任院長へのマネジメントの講師や医師たちが手技を磨く「手術手技研究会」の講師も歴任するなど、 医療に関することだけでなく、さまざまな分野に精通しているTCBの看板Dr。
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