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【山﨑賢人さん&染谷将太さんインタビュー】価値観も真実も違うからこそ『事実』になる

美人百花デジタル / 2024年5月29日 20時20分

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今回はゆったりとした独特の空気感で、時にくすりと笑わせてくれる山﨑賢人さん×染谷将太さんの絶妙コンビが登場。映画『陰陽師0』で理想のバディを演じているけれど、作品を観る前にまずはここで、じわる〝沼〟なツーショットを予習して!

「現場でずっと一緒だったけど、お互いがそこにいることにまったく違和感を感じなかった」(染谷)

ーー仲のいいコンビや麗しいコンビ、癒されるコンビなど、さまざまなツーショットインタビューをしてきたけれど、ここまで〝じわる〟コンビは初めてかも。この2人、クセになる独特のグルーブがあるのだ。

 

山﨑「染谷くんには染谷くんにしかないユルさがあって。何も言わないけど『無理しなくていいんだよ』って言ってくれているみたいな、いい感じの抜け感、雰囲気が好きです」

 

染谷「現場でお互いがそこにいることにまったく違和感を感じないというか。それこそユルいって表現がベスト。そういう雰囲気、そういう時間を作ってくれた賢人くんには本当に感謝しているし、だからこそ作ることができた〝名コンビ〟だと思います」

 

ーー映画『陰陽師0』で2人が演じたのは、学生時代の安倍晴明(山﨑)と貴族の源博雅(染谷)で、夢枕獏原作の人気シリーズで愛されてきた名バディ。今作はその出会い=エピソード0を描く映画オリジナルストーリーだが、平安絵巻に溶け込む、2人のナチュラルな佇まい、ハマり具合に目が離せない。

 

山﨑「撮影は晴明と博雅の役を入れ替えてリハーサルをするとか、ワークショップのような感じで。(佐藤)嗣麻子監督が俳優に寄り添い、僕らが芝居をやりやすいよう気にかけてくださったので、すごく楽しかったです」

 

染谷「基本的に、監督と賢人くんと僕と3人でずっとしゃべっていました。で、その流れのままカメラの前に立って『じゃあ、やってみようか』みたいな、自然に映画の世界に導いてもらった印象があります」

 

ーーでも、裸足に木沓(きぐつ)、烏帽子(えぼし)という平安衣装での立ち回りなど、苦戦したことも。

 

山﨑「この時代の衣装は初めだったのでなじむのが大変でした。移動の車に乗るときも、毎回、烏帽子が当たるし、木沓はデカイし(笑)」

 

染谷「アクション用の木沓があって、これは柔らかくて中にスニーカーが入ってたよね。まぁでも自分は馬のシーンがいちばん大変だった。空馬を連れて駆けるなんて初めてだったから、何回も練習してものすごく苦労しました」

 

ーーそんな本格アクションシーンや最新のVFXを駆使した映像も注目だが、今作の柱はやはり呪(しゅ)にまつわる奥深いテーマ。顕在意識と潜在意識が混ざり合う世界観に、観る側は見事騙され、幻惑される。

 

山﨑「劇中では『真実は主観で、事実は客観』っていう晴明の言葉どおり、呪によって、そこにいないネズミに惑わされるシーンとかあるんです。あと水龍も出てきて、それは架空のものとされているけど、もしかしたらエネルギー的には見えちゃう人もいるんじゃないかって僕は思っていて……って、(話が)変な方向にいっちゃってる?(笑)」

 

染谷「いや、深い」

 

山﨑「とにかく僕自身、呪にとらわれちゃうことはあると思うんです。でも最終的には主観も客観もどうでもよくて、いまここにあることだけがすべてじゃないかと。そういうメッセージに共感できるし、好きなテーマです」

 

染谷「僕もそこにいちばん感動しました。例えば博雅が思う晴明と、晴明が思う博雅はきっとズレがあって、お互い違う価値観と真実を持っていると思うんです。でも、それがうまいことつながって、友情、絆で結ばれひとつの〝事実〟になっていく。それってすごく素敵だと思うんですよね」

「僕、緊張しすぎると落ち着くを通り越して〝落ち〟ちゃうんです(笑)」(山﨑)

ーー浮世離れしたクールな安倍晴明と、一生懸命で素直な源博雅。その対比が陰陽師バディの魅力だが、実際の2人は逆の印象。山﨑さんはピュアで博雅っぽく、染谷さんは淡々として晴明っぽいイメージがある。

 

山﨑「わかる気がします。染谷くんは演技する上でも、人としても落ち着きがあるんです」

 

染谷「僕から見ると賢人くんは現場でも大変なことを飄々とやっていくというか。その堂々とした感じ、なるようになるっていう姿勢は晴明っぽくてカッコよかったけど。今もめちゃくちゃ落ち着いているし」

 

山﨑「いや、内面はぐるぐる回っています。僕、緊張しすぎると落ち着くを通り越して〝落ち〟ちゃうんです(笑)」

 

染谷「ははは、1周しているよね(笑)。僕はどうしたら緊張しないかいろいろやろうとするタイプだけど、緊張しすぎてどうしようもなくなって、ストンと落ちちゃう感覚はわかります」

 

ーー一見、対称的な2人だけど、醸し出すにおいとか呼吸のリズムとか、意識しない部分が似ているのかも。だから心地いいのかもしれない。

 

染谷「でも賢人くんはたまに『これどうしよう』ってボソッと普通に言うんですよ。自分はそういうことを言えないタイプだから、そこは違う部分。困ったり迷ったりしたとき、素直に口にして、その自然な温度感のまま乗り越えていくところはうらやましいです」

 

山﨑「僕、染谷くんの前で『どうしよう』って言ったのは、『なんかヒントくれないかな』って思ってたのかもしれない(笑)」

 

染谷「そういうことだったの?」

 

山﨑「いろんなところでヒントを探しているんでしょうね」

 

染谷「あ〜、いいね。ちゃんと口にすれば周りとシェアして、自分にないアイデアをもらえるかもしれないし、すごくいいと思う」

 

山﨑「実際、染谷くんからヒントをもらったこともあるんじゃないかな」

 

ーー「違和感を感じない」という冒頭の染谷さんの言葉を補足すると「お互い黙っていても苦じゃない。そもそも沈黙を沈黙と思ったことがない」(染谷)とのこと。まさに理想のバディだと思うのだが、そんな2人の「美人観」についてのやりとりも面白い。違うことを言っているのに、でもどこかでちゃんと噛み合っているのだ。

 

染谷「美しい人って何だろうっていうのは、映画とかを観ても、毎回自分の中に残るテーマ。例えば晴明も博雅も美しいけど、じゃあ、その理由は?ってなると謎ですよね」

 

山﨑「無邪気さじゃないですか? 晴明も博雅も人を蹴落としてまで、というのはないし」

 

染谷「かといってクリーンってわけでもないし、それが美しいとも思わないし……。結局、人間らしい人が美しいのかな。でも、じゃあ人間らしいって何?ってなるとまた難しい。『美人』は自分の中では死ぬまでわからないテーマだろうなと思います」

 

山﨑「でも美しさの逆を行こうとしている人はいない。それだけは確かですよね」

 

ーー映画の見方としては邪道かもしれないけど、『陰陽師0』はそれぞれの素のキャラを踏まえた上で観ると、より味わい深い気がする。そこには役から透けて見える2人の生身の空気感、そして、それをしっかりシーンに焼き付け昇華した映像の魔力がある。その呪(しゅ)に、ぜひ惑わされてほしい。

 

 

Profile

染谷将太(そめたにしょうた)

1992年9月3日生まれ。7歳から子役としてキャリアをスタート。 数々のドラマや映画のほか『すずめの戸締まり』など劇場アニメの声優も務める。次回作は映画『違国日記』(6月公開予定)が待機中。

山﨑賢人(やまざきけんと)

1994年9月7日生まれ。2010年俳優デビュー。近年の主な主演作は7月に新作の公開を控える映画『キングダム』シリーズや、ドラマ『アトムの童』など。Netflixドラマ『今際の国のアリス』シーズン3の制作も決定している。

 

Information

『陰陽師0』

実在した陰陽師・安倍晴明の学生時代を描く史上最強の呪術エンターテインメント。陰陽寮のある学生の変死をきっかけに、晴明は雅楽家として高名な貴族・源博雅と共に平安京を巻き込む凶悪な陰謀と呪いに立ち向かっていく。

出演:山﨑賢人、染谷将太、奈緒 ほか

公開中

(C)2024映画「陰陽師0」製作委員会

 

掲載:美人百花2024年5月号「#いま彼を知りたい」

撮影/土山大輔(TRON) スタイリング/伊藤省吾(sitor) [山﨑さん分]、林道雄[染谷さん分] ヘアメイク/永瀬多壱(ヴァニテ[)山﨑さん分]、 光野ひとみ[染谷さん分] 取材・文/若松正子 再構成/美人百花.com編集部

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