平成9年『ONE PIECE』 連載開始時に発売されたバイクたち
バイクのニュース / 2020年4月1日 9時0分
平成から令和をまたいだ、少年ジャンプ屈指の名作「ONE PIECE」。漫画連載が開始された頃に発売されたバイクは、どのような車種だったのでしょうか。
■スポーティーなモデルから往年の名モデルのオマージュまで!
「海賊王に、俺はなる!」という主人公・ルフィの姿に憧れたという人は少なくありません。
「ONE PIECE」は、平成9年に連載がスタートし、令和2年の現在にいたるまで、長年にわたり愛されている「ひとつなぎの大秘宝」をめぐる海洋冒険ロマン作品です。
漫画連載開始時に小学生や中学生だった子供たちも、現在では社会で活躍する1人として成長を遂げています。そうした世代からは、単行本12~23巻にわたって続いた「アラバスタ王国編」が特に高い人気を集めています。
ルフィがシャンクスと出会い、別れ、冒険に旅立ったとき、日本ではどんなバイクが発売されていたのでしょうか。国内の各メーカーで発売されたモデルをピックアップして紹介します。
●ヤマハ「FZ400」(平成9年発売)
FZ400は、ネイキッドモデルの使いやすさと乗りやすさに加え、スポーツ性も追求した400ccクラスのバイクとして発売されました。
搭載される水冷直列4気筒エンジンは低速から高速域までパワフルで扱いやすく、当時の自主規制上限値である53馬力を発揮しました。またブレンボ製のブレーキキャリパーを採用、リアにもリンク式モノクロスサスを採用するなど、ハードな走行にも対応できるつくりになっています。
フレームにマウントされたハーフカウルも特徴的で、角形の二眼ヘッドランプはスポーティーな外観となっています。高速道路などでの安定性や走行性も高く、純粋に走りを楽しめるバイクでした。
●ホンダ「ドリーム50」(平成9年発売)
ホンダ「ドリーム50」
ドリーム50は、1960年代に発売され、伝説のマシンとして一世を風靡した、ホンダ「CR110」を彷彿とさせるルックスで登場しました。
搭載されているエンジンは、CR110を意識したともされ、世界で唯一のツインカム50ccエンジンは、1万回転を超えるまでストレスなく吹け上がりました。赤く塗装された「ダイヤモンドフレーム」や、H型のスポークホイールなど、随所にホンダのこだわりが感じられるつくりとなっています。
ドリーム50には、レース用バイクとしてのニーズは高く、のちにホンダ技研工業の2輪モータースポーツ専門会社である「HRC」から、レース用パーツを組み込んだ「ドリーム50R」も発売されています。公道モデルのドリーム50は2000年で生産終了となっていますが、ドリーム50Rは2009年まで生産が続けられました。
●ホンダ「CB400FOUR」(平成9年発売)
ホンダ「CB400FOUR」
ホンダCB400FOURは、同じ名前のバイクとして、1974年に発売された「ドリームCB400FOUR」と区別するために、NC36型と呼ばれることもあります。
1990年代当時はネイキッドバイクが人気を集めていましたが、CB400FOURはレトロスタイル登場しました。この後クラシックなスタイルのバイクが増えてきたという意味では、エポックメイキング的な存在といえます。
このモデル最大の特徴は、4本出しマフラーです。スポーク状のホイールとあわせ、そのスタイルは往年の名車である「ホンダドリームCB750FOUR」をイメージしたものともされています。
また、エンジンには空冷風の冷却フィンが配置されており、同クラスで最大のトルクを発生することで、日常的な街中での走行も楽にこなすことができたと言われています。
●スズキ「TL1000S」(平成9年発売)
スズキ「TL1000S」
TL1000Sは、995ccV型2気筒のエンジンを搭載した、いわゆる「リッターVツイン」とよばれるバイクの1つです。
ハーフカウルが特徴的なスタイルをもっていますが、インジェクションや新気導入システム「SRAD」の採用をはじめ、様々なレーステクノロジーが導入されました。
V型ツインエンジン搭載でホイールベースが長くなり、旋回性が悪いというデメリットがありましたが、スズキではそれを解消するため、リアのサスペンションに、世界初となる「ロータリーダンパー」を採用しました。
TL1000Sには、レース仕様として「TL1000R」という派生車種も発売されています。車重もTL1000Sの211㎏から約20kgも軽い192kgとなっており、高いスポーツ性能を発揮しました。
●カワサキ「エリミネーター125」(平成9年発売)
カワサキ「エリミネーター125」
カワサキ「エリミネーター125」は、新設計の125ccSOHC単気筒エンジンを搭載し、アメリカンスタイルバイクとして登場しました。
当時は、400ccや、それ以上の排気量を持つ大型バイクでアメリカンスタイルのラインナップが充実しており、エリミネーター125は、時代に合わせて登場した「エントリーアメリカンバイク」と言えるかもしれません。
外観には、のちに登場する兄弟車「エリミネーター250」と共通した部分や、1クラス上の車格を思わせるドラッガースタイルを採用するなどの特徴があります。また、メッキパーツを多用することで、高級感を演出しています。
フラットハンドルやフォワードコントロールステップ・大型サドルタイプのシートなどの特徴をもつスタイルで、リラックスした乗車姿勢のため、日常的にも使いやすいモデルとして、さまざまなユーザーに愛されました。
※ ※ ※
ONE PIECEの連載が開始された直後、各メーカーは、1998年の排ガス規制へ向けた対策がなされている過渡期でした。その後も排ガス規制は強化され、2006年、2012年、2020年と強化が実施されています。
しかし、そうした規制の並を乗り越えながら現在も多くのバイクが開発・販売されています。
バイクメーカーや発売されたバイクたちは、ルフィたちをはじめ、「偉大なる航路」に向けて帆を張った、数々の海賊たちと似ているのかもしれません。
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