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Monster Energy Yamaha MotoGPロッシ選手 来季21年シーズンのMotoGP継続参戦を決断

バイクのニュース / 2020年4月30日 15時0分

Monster Energy Yamaha MotoGPは、バレンティーノ・ロッシ選手とマーベリック・ビニャーレス選手のインタビューを公開しました。ロッシ選手とビニャーレス選手は、20年シーズンを8月、または9月の開催を希望しています。

■バレンティーノ・ロッシ選手21年MotoGP参戦継続を希望

 Monster Energy Yamaha MotoGPは、チームが運営するYouTube、Facebook、Instagramを通じて、バレンティーノ・ロッシ選手とマーベリック・ビニャーレス選手のインタビューを公開しました。

 ヤマハのファクトリーチームから8年連続15年目の参戦を迎えるバレンティーノ・ロッシ選手は、来年からの去就に関して、「難しい状況です。以前に発言したように最初のオプションは、継続参戦に向けてトライすること。十分なモチベーションはあるので続けたい。特に昨シーズンの後半戦は非常に苦しみ、多くのレースで遅く、トップ5に引き離されたところで戦わなければいけなかったから、戦闘レベルを理解することが非常に重要です。

 もう1年ファクトリーチームと共に参戦して決断を下す必要がありました。強くになれるかを理解するために、新たに迎え入れたクルーチーフと幾つか修正したチームと共に5戦、6戦戦う予定だった。

 問題は、新型コロナウイルス感染が原因となり、現時点ではレースが開催されないこと。最も楽観的な状況は、シーズンの後半にレースができること。8月、または9月まで待ちます。しかし、その前に来年の決断をくださなければいけない。とにかく、僕は続けたい。レースを走らずに、この決断をくださなければいけなかった。

 状況は、もしかしたら、20年に走れなくなってしまうかもしれない。これで経歴をストップするには最善のやり方ではないから、もう1度チャンピオンシップに参戦して、その終わりに引退するのがフェアだろう。だから、21年も継続したい」と、来季21年シーズンも参戦する決断を下したことを明かした。

Monster Energy Yamaha MotoGPマーベリック・ビニャーレス選手

 チームメイトのロッシ選手が21年シーズンに向けて継続参戦する意志を表明したことについて、マーベリック・ビニャーレス選手は、「彼には長く参戦を続けてもらいたい。バレンティーノとトラックをシェアし、バトルをすることが好きなんだ。

 彼の存在により、トレーニングでも、自宅でも、トラックでも、シンプルに僕は前に進めています。結局、僕たちは友人だから。僕たち2人はヤマハのガレージで働き、互いに倒さなければいけない。

 特に17年の終盤と18年は困難な時期を共に過ごし、そこから多くのことを学びました。その辛い時期でもバレンティーノは常に笑顔でいた。その理由が理解できなかった。

 望むようなリザルトを獲得せず、トップ10以内がやっと。そのことに慣れることはなかったから、彼がいつも笑顔でいる理由が解らなかった。『どうすれば笑顔になれるのか分からない』と沢山の人たちと話した。彼はトラック上で全力を尽くし、トラックを離れるといつも幸せだった。ものごとが思うように進まなくても、幸せになることを学んだ。理解するのに時間がかかった」と、チームメイトの存在価値を改めて説明した。

Monster Energy Yamaha MotoGP マーベリック・ビニャーレス選手/バレンティーノ・ロッシ選

 バレンティーノ・ロッシ選手とマーベリック・ビニャーレス選手は、20年のMotoGP開催時期について、8月、または9月の開催を希望しています。

 バレンティーノ・ロッシ選手は、「僕にとってベストなのは、8月または9月にスタートして、世界中のベストサーキットで10戦または12戦の開催に向けてトライすること。ベストコンディションのところでの開催すること。

 9月にスタートして、12月には暖かいオーストラリアやタイで開催すれば12月にシーズンを終了することができるだろう。同じトラックで複数のレースが開催されないことを願う。スーパーバイクのように週末に2レースが開催されることは好まない。8戦、10戦、または12戦が良いと思うけど、ベストレーストラックでの開催を希望しています。

 無観客は誰にとっても非常に残念なことになるだろう。僕たちはファンのためにレースをするけど、レースを開催しないより、無観客でレースをした方が良い。

 時々、カルメロと話します。あまり迷惑をかけないように心掛けているけど、最新の状況を聞いています。時々会話し、テキストメッセージを送信してくれ、巨大なプレッシャーの下で、状況やどのように働いているのかを話してくれるけど、僕たちと同じように一日も早いレース開催を望み、最善を尽くしている」と、開催の希望とドルナスポーツへの支援を語りました。

 マーベリック・ビニャーレス選手は、「バレンティーノに同意する。最終的にレースをしなければいけない。チャンピオンシップは前進する必要があります。ファクトリーは働く必要があり、トラックで周回を重ねる必要がある。今は全てが止まっている。彼が言ったように、僕たちはファンのために走り、彼らは僕たちを観に来る。ファンは自宅で観戦することができるけど、無観客となれば、それは非常に残念。

 僕としては、シーズンの後半戦が開催できたら良いと思う。同じトラックで2レースの開催は難しい。それはとても不可思議で、結果は大きく変わるかもしれない。ダブルレース?それは分からない。観るには面白いかもしれないけど、僕たちは慣れていない。とにかく、完璧な状況はシーズン後半戦を開催することだろう。

 時々、カルメロにメッセージを送って、何か役に立てることや必要なことはないかと訊いています。ライダーとして、チャンピンシップと関係者のために、何かできることがあれば役に立ちたい。ドルナスポーツはチャンピンシップを存続させるために懸命に働いています。20年シーズンの開催に向けて全力を尽くすことに疑わない」と、バレンティーノ・ロッシ選手と同調するように後半戦からの開催を希望した。

■ロッシとロレンソがチームを組むのは現時点では難しい

 イタリアのスポーツ紙『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、ヤマハ・モーター・レーシング・マネージング・ディレクター、リン・ジャービスのインタビューを掲載。Monster Energy Yamaha MotoGPが公開したインタビューに関して言及し、バレンティーノ・ロッシ選手の継続参戦希望、ホルヘ・ロレンソ選手の復帰、21年のマーベリック・ビニャーレス選手とファビオ・クアルタラロ選手体制について状況を説明しています。

Monster Energy Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ選手

 バレンティーノ・ロッシ選手の継続参戦希望について、リン・ジャービス氏は、「ヤマハではバレンティーノの継続に関して内部で協議を進めています。早い時期に彼とも話し合いたいです。我々は将来を見据えて始動すべき時期に入り、彼の当初のアイデアは、序盤5戦、6戦後に来年の去就を決断することになっていましたが、そのシナリオでは10月まで延びてしまうかもしれません。そこまで待つことは困難です。

 唯一のオプションはPETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamです。ライダーの決定は、ライダーを選択するペトロナスとそれを承認するヤマハとの間で合意が必要となります。ペトロナスの予算で方向性を決めることから、チーム代表であるラズラン・ラザリと協議します。

 私はバレンティーノにもう1年続けてもらいたいです。彼のようなチャンピオンが僅か数戦で、無観客レースでキャリアを終えしてしまうのは正当ではありません」

 ホルヘ・ロレンソ選手の復帰については、「彼がバレンシアで引退を発表した数分後、ヤマハに加入するようにメッセージを送りました。我々の関係は長く、チームから離れた後も常に維持していました。引退には驚きませんでしたが、彼を加入させることにトライしました。ザルコとも交渉していましたが、そのとき話し合いは止まっており、我々はテストのために、最高のライダーを起用したかった。ロレンソと我々との契約期間は1年です。

 セパンのテストでは、ヤマハとの再会に役立ちました。日本でのテストが予定されていましたが、キャンセルとなり、彼は混乱しました。テストなしでレースに復帰すべきかどうか決めるのは難しいです。当初はバルセロナでワイルドカード参戦を予定していましたが、今ではワイルドカード自体が許可されるのか分かりません。

 私がマネージメントを担当しなので、ロッシとロレンソが一緒になるとことは興味深いですが、実現は難しいです。ペトロナスの主な目的は、若い世代の育成であり、私個人としてはフランコ・モルビデリのことを気に入っている。他のチームも注目していますが、ヤマハに残留することを期待します」

2021年チームメイトとなるマーベリック・ビニャーレス選手とファビオ・クアルタラロ選手

 マーベリック・ビニャーレス選手とファビオ・クアルタラロ選手体制について、「マーベリックを納得させることは難しくなかったです。重要なのは、彼を中心とした計画を固めることでした。当初、クアルタラロとバレンティーノに関して協議しましたが、100%我々のプロジェクトを説明することができませんでした。重要なことは、クアルタラロがヤマハにとって将来を代表する存在になることであり、理解してくれました。

 21年体制が組めて嬉しいです。クアルタラロは速くて若い、マーベリックは経験があります。マルケスに挑む最も強力なペアです。我々の使命はレースで走ること。勝つために走ります。それは、ソフトウェア、ハードウェア、ライダー、メカニック全てを使用することで最高の力になります。ヤマハがチャンピオンシップを獲得するときです」と語っています。

※ ※ ※

 ヤマハは、1月28日にマーベリック・ビニャーレス選手との契約を更新、29日にファビオ・クアルタラロ選手の起用を発表。ファクトリーチームの21年と22年の体制が決定すれば、同日にはロッシ選手との間で21年以降のレース計画について、シーズン半ばに最終的な決断を下すことで合意。継続参戦する場合には、技術支援を約束しています。

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