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住み慣れた街の新たな魅力に気付かせてくれる! シグナスXはそんな相棒的存在

バイクのニュース / 2020年5月10日 11時0分

スクーターは、なんだかヤンチャなイメージ。そんな筆者(先川知香)が、ヤマハ「シグナスX」に試乗しました。

■スクーターに対する価値観が180度変わった理由とは?

 小排気量のスクーターといえば、通勤・通学や買い物などには便利で実用性の高い乗り物ですが、走りを楽しむとなると少しヤンチャなイメージを持っていた私(先川知香)。

 初めて乗ったスクーターは、大学への通学用にヤフオクで、2万円で落札した適当なバイクでした。

 実働確認済みということで購入したそのスクーターは、乗り始めて1か月ぐらいで加速しなくなり、エアクリーナーボックスを開けてみると、エアクリーナーの代わりにパンストに入った食器洗い用のスポンジが入れられていて、それがキャブレーター側に吸い込まれかけていたという驚きの状態だったのです。

 また、私の大好きなモータースポーツカテゴリのひとつに「スクーターレース」がありますが、その面白さはロードレースなどとは趣向が違い、怖いものが無いのかと目を疑うぐらいの無謀な突っ込みと、なんでもありといっても過言ではないようなハチャメチャなバトルが面白いなど、どうしてもアウトローな印象が付いてきます。

 そんな個人的なイメージから、バイクを選ぶ時にスクーターという選択肢は無くなっていた私が、かなり久しぶりに乗ることになったヤマハ「シグナスX」のビジュアルは、やはりヤンチャな印象で、正直あまり好きにはなれませんでした。

「カマキリみたい」そう思いながらも走り出してみると、最初はニイグリップのないスクーター特有の膝を持て余すライディングスタイルに不安感を感じるも、慣れてくるとスイスイ。今まで乗ってきた中型以上のバイクに比べ、かなり車体が軽くて足つきもいいので扱いやすく、どこまでも走っていけるような気分にさせてくれます。

 そして、なにより中型以上のバイクとは見える景色が全然違う。力が無くても扱いやすい125㏄という小排気量だからこそ見える世界が、そこにはありました。

 まず、大きなバイクだと、慣れていてもやはり、どこか気を遣う取り回しや路面状況が気になることもなく、発進や停車が気軽にできるため、寄り道をするポイントが一気に増加します。

 これまでも、もちろんまわりの景色を見ながら走ってはいましたが、それは目的地にたどり着くまでの道中の背景のような印象で、トイレ休憩やランチなど、大きな目的が無ければ思い付きで立ち寄ることは、あまりありませんでした。

 しかし、このシグナスXで走っていると、目に映る1軒1軒の建物や観光スポットなどがかなり身近に感じられ、気まぐれでどこにでも立ち寄れてしまうんです。

軽量でコンパクト、扱いやすいスクーターは、街の景色を一変させる優れものです

 この「気まぐれでどこにでも立ち寄れる」理由には、約29リッターある、大容量のシート下トランクの存在も大きいかもしれません。やはり重たいヘルメットやグローブを持って歩くとなると、寄り道をするのが少し面倒になってしまうのも事実です。

 また、125㏄という排気量も、普通に街を走るだけなら全く問題はなく、パワー不足を感じることはありませんでした。

「楽しい」

 加速性能も抜群で、驚くほど小回りも効くシグナスXは、住み慣れた街の今まで知らなかった魅力に気付かせてくれる、相棒的な1台。乗ってみると、全然アウトローな印象はありませんでした。

 それどころか、一緒にいると楽しい人が、だんだんとイケメンに見えてくるのと同じように、気付いた時には「あれ?そんなに悪くないかも」と、日に日にカッコよく見えてきて、今では少し欲しいと思ってしまっている自分がいるという不思議なバイク。

 徒歩や自転車より速く移動することができるだけでなく、走っている場所の魅力を隅々まで楽しませてくれる原2スクーターヤマハ「シグナスX」の価格(消費税込)は、33万5500円です。

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