ホンダ「ADV150」でダートを走ろうと思ったら? キャンプ場へのアプローチに不安なしの実力
バイクのニュース / 2020年6月16日 13時0分
アドベンチャーテイストの軽二スクーター、ホンダ「ADV150」は専用設計の足まわりで未舗装路も走れそうですが、実際はどうなのでしょうか? 試しに走ってみました。
■キャンプ場、林道、河原……様々なパターンの未舗装路を実走チェック
ホンダ「ADV150」は、アドベンチャースタイルを身にまとった人気の軽2輪スクーターです。見るからにタフでアクティブな外観なので「ちょっとした未舗装路、林道なんかも走れちゃうのかな?」と考えてしまうところ。そこで、実際にダートを走ってみるとどうなのか? 試してみました。
まず「ADV150」の基本データですが、フレームやエンジンなどは、同じホンダ「PCX150」と共通で(デザイン上の理由からフレームのリア側は一部変更)、最高出力や最大トルクなども同じとなっています。
「PCX150」との違いは、まずタイヤサイズです。前後ともに14インチの「PCX150」に対し、「ADV150」はリアを1サイズダウンして13インチとしています。また、太さも前後ワンサイズアップし、ブロックパターンのタイヤとなっています。
前後のサスペンションも違います。ストローク量が「PCX150」に比べて、フロントが100mmから130mmへ、リアが90mmから120mmへと長くなっていいます。リアサスペンションは3段レートのスプリングとリザーバータンク付きが採用されています。
最低地上高も165mmと、「PCX150」より28mmも高く、同じアドベンチャーカテゴリの兄貴モデル、排気量745ccエンジンを搭載する「X-ADV」より30mmも高い数値なんですね。
ほかにも「PCX150」対比でハンドルポジションが高められていたり、シート高も31mmプラスの795mmとなるなど、全体的にオフロードテイストに寄った車体構成となっています。リアディスクブレーキを採用している点も、大きな違いのひとつです。
165mmの最低地上高は、大型アドベンチャーモデル「X-ADV」より30mmも高く、多少の高低差であれば気にせず走れます
さて、いよいよダートで乗ってみた印象をお伝えしましょう。まずは、シート下ラゲッジボックスにキャンプ道具を収納し、ザックを背負った状態で、未舗装のキャンプ場へのアプローチを走ってみました。
ほぼフラットなダートで、ところどころに小さな石やくぼみがあるような路面でしたが、車体はとても安定し、とくにくぼみを越える際には、サスペンションがグワンと収縮して衝撃をやわらげ、フラつくことなく走ることができました。
次に荷物を下ろして、周辺の林道を走ってみました。こちらもほぼフラットダートですが、チラホラ現れる路面のくぼみは先ほどより大きく、路面に落ちているのも石というより小さめの岩、みたいなものが混じっています。そんな道を、様子を見ながら不安を感じないレベルで進んでいきました。
結果的に言うと「かなり走れる!」「面白い!」という印象です。ストローク量の多いサスペンションのおかげで、少々のギャップならストトンと軽くいなすように走り抜け、底付きすることもありません。太めのタイヤは路面との相性も良好で、安定感があります。またエアボリュームもあり、乗り心地も良い印象でした。
両脇と真ん中に草の生えた細いダートの下り。大型アドベンチャーモデルではちょっと躊躇するような状況でも「ADV150」なら気軽に進んで行けます
最高出力や最大トルクがPCX150と同じ、とお伝えしましたが、じつは吸排気系とECUが変更され、クラッチの最適化なども含めて変速特性が低中速域でパワフルになるようセッティングされています。これにより、発進時の加速や低速域での力強さを得て、ダートでも乗りやすい特性になっていると感じました。
また、河原などに多い、ちょっと草が茂った細い道にも乗り入れてみましたが、フロントにABSを装備しているので滑りやすい草の上を通過する際にも安心感があります。
「ADV150」は、もちろんオフロードバイクのようにはいきませんが、一般的なスクーターに比べれば、はるかに安定してダートを走れます。見かけだけでなく、中身も十分アドベンチャーしているな、と感じさせてくれました。
低中速に振ったセッティングのため、加速の力強さは「PCX150」以上。これがダートでの扱いやすさと楽しさにつながっていますね
強いて気になる点を挙げるなら、車体の下部に跳ねた石がコンコンと当たりやすいこと、くらいです。こればかりはどうしようもないのですが、アフターパーツが豊富な車種だけに、今後アンダーガードのようなパーツが発売されることも期待できるのではないでしょうか。
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