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the「燃費」ヤマハデザインの真骨頂 ネオ・レトロ風味のネイキッドモデル「XSR900」の走りと燃費は?

バイクのニュース / 2020年6月20日 11時0分

「バイクの燃費どれくらい?」ちょっと気になる人の燃費。とはいえ燃費はミズモノ。走る場所、乗り方で大きく変わります。本当のところどうなのか? ヤマハ「XSR900」で走ってみました。

■グっとくる、スタイルの魅惑

 ヤマハの歴代モデルに含まれるデザイン要素を巧く引き出し、それらが持つ味わいのエッセンスを反映。「ああ、ヤマハだね」という家系図を連想させる“ネオ・レトロ”スタイルは、けして古さを再現したのではなく、カスタムパーツをちりばめたかのようなディテールで、ヤマハ「XSR900」全体から香るそのムードはとても気になる1台です。

 白地に赤の色使いが印象的なタンク周り、ゴールドのホイールとエンジンのブラックが見せるコントラストも完璧。「乗るならちゃんとバランスの取れるスタイルを考えてね」とウインクしながらキッチリ要求するツンデレさんのような気高さはどうですか! ……とにかく、細部を見回すほど106万1500円という税込み価格がリーズナブルに思えるのです。

 そんな「XSR900」の燃費スペックは、国土交通省届出値の2人乗り60km/h走行定地燃費値が29.4km/lで、カテゴリー「3」、サブカテゴリー「3-2」に属する「XSR900」の場合、WMTCの燃費データが19.7km/lとなっています。

 両データともヤマハ「MT-09」と全く同値です。今回も、燃費調査では車載される平均燃費計、トリップメーターの距離を反映しています。なお、ライディングモードは「STD」で走行しました。

■都心を抜けるルートでは20km/lに届かず

 東京都内、外苑付近から国道246、皇居、銀座を抜け首都高湾岸線へとアクセスするルートは、3車線どうしの交差点が多く、右折信号を含めた長い停止時間が連続します。

ヤマハ「XSR900」は“ネオ・レトロ”スタイルながら「MT-09」をベースとするため走りは機敏でスポーティな特性

 連続青信号で抜ければ移動時間もさほどではありませんが、赤で停まるとアイドリング時間がそれなりに長く、燃費データに跳ね返るのはこれまでどおり。

 排気量845ccの直列3気筒エンジンは独特な音を奏で、低速トルクがしっかり絞り出される滑らかなもの。キューンと盛り上がる音を聞きたいがために、低速ギアでエンジン回転を引っ張りたい欲求に駆られます。

 そんな状況で12.5km走り、19.5km/lの燃費は逆に立派に思えました。3気筒だけに低い回転でシフトアップしてもエンジンの滑らかさは不変。このあたりも、停止時間が長くても燃費をさらに落とさなかった要因かと想像します。

■ネイキッドながら、意外に快適な高速移動

 いつもの燃費計測スタート地点、木更津まで向かいます。参考データとして、制限速度が80km/hから60km/hへ、また80km/h、そして100km/hへと変化する湾岸線、京葉道路、館山道、東京湾アクアライン連絡道経由の82km区間で計測したところ、25.8km/lでした。

千葉県木更津エリアをスタート&ゴール地点としてヤマハ「XSR900」でツーリング想定のルートを走り、燃費を調査

 木更津でハイオク満タンにして計測スタートです。東京湾アクアライン連絡道「袖ケ浦IC」から館山道の終点「富浦IC」まで54.3kmを走行した高速区間では26.1km/lでした。

 制限速度が80km/hから100km/h、また80km/h、そして70km/hとなるこのルートはこの日、片側一車線となる最終区間で、道路維持作業車が先導する(50から60km/h程度)そこまでは25km/l台でしたが、最後に一伸びしてこの結果となりました。

 また、復路「富津中央IC」から「木更津金田IC」までの25.9kmの走行では、往路のように速度低下なく走っても26.9km/lを記録。前半が追い風だったことも影響したようです。

「XSR900」はネイキッドバイクですが、前傾姿勢となるライディングポジションもあり、高速道路走行は苦になりません。この燃費ならば14リッターの燃料タンクで300kmは安心して走ることができそうです。

■ツーリングペースでは、定地燃費値に迫る結果に

「MT-09」ゆずりの元気の良い3気筒エンジンを搭載するだけに、ついついペースを上げたい誘惑に駆られます。しかし、3気筒のビート感ある排気音と、50km/h程度から6速に入れたままアクセルひとつで欲しい加速が手に入る排気量の後押しもあり、一定速で走っていても退屈しません。

実際の燃費はどうなのか? ヤマハ「XSR900」で快走路を走る筆者(松井勉)

 いつものように「富浦IC」を出て程なく、房総半島の内陸を南下するルートへ。アップダウンとカーブが多い安房グリーンラインを経由して半島の南端エリア、海沿いまで23.7kmを移動し、この区間で26.5km/lをマークしました。

 その後、沿岸部から国道410号、県道34号を経由して大山千枚田へ。平坦路から一部アップダウンの多いルートをたどる道を38.5km走り、燃費は27.8km/lに。大山千枚田からもみじライン経由で「富津中央IC」までの26.1kmでは28,2km/lとなりました。

 信号の少ないルートであり、快走路としてオススメなルートです。ペースを上げる、エンジンの回転をあげるなどすれば当然燃費は落ちるハズですが、流れに合わせて走ると、今回の燃費を出すのは難しくないことが解りました。

■ハイオクガソリン指定ですが、これなら満足

「オーセンティックであれ。」とヤマハの開発陣がXSR900に込めたスタイルと乗り味は味わい深いものでした。

いつものツーリング想定の計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津に到着

■ヤマハ「XSR900」燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
総走行距離:310.1km
市街地:19.5km/l
高速道路:26.1km/l(往路の追い風では26.9km/l)
快走路:27.5km/l

※ ※ ※

 その満足感においてちょっとお高めな燃料、ハイオク指定ですが、燃費性能も合わせてホシ4つ、軽くクリアではないでしょうか。

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