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レーシングライダーでも難関!? 大型二輪免許の一発試験って何するの?

バイクのニュース / 2020年6月21日 13時0分

二輪免許を取得する方法には、教習所に通う方法と一発試験と呼ばれる方法が一般的です。この、よく耳にする一発試験とは、いったいどんな試験なのでしょうか。

■令和元年の合格率は約13%!?

 二輪免許を取得する方法は、指定自動車教習所を卒業することが一般的です。しかし、教習所に通って免許を取得するには、普通自動車免許を持っていたとしても約16万円と、技能31時限、学科1時限。時間もお金も、かなりかかってしまいます。

 そこで、気になるのが一発試験と呼ばれる方法。免許センターに直接行き、技能試験に合格する方法です。いったいどのような試験なのでしょうか。

 まず、免許センターでおこなわれる技能試験を受験する条件は、大型二輪免許は18歳以上、普通二輪免許は16歳以上。クルマの免許や普通二輪免許など、他の運転免許を持っている人は、学科試験が免除になります。

 条件をクリアしていれば、まずは住民票を置いている地域を管轄する運転免許センターで、適性検査の予約をします。そして、視力検査や8の字でのバイクの取り回し、引き起こしなどの適性検査に合格すると、技能試験の予約を取ることができるのですが、試験の実施日が少ない上に、地域によってはかなり混んでいるので、一発試験を受けるにもスケジュールに余裕が必要なので注意してください。

 そして技能試験当日は、まずはコースウォークから始まります。試験場では、ふたつのコースが設定されていて、当日指定された方のコースを走行。コースを間違えても減点にはなりませんが、元のコースに戻るための走行も審査に含まれてしまうため、コースは覚えておいた方が賢明です。

 技能試験に合格した後は、指定教習所で取得時講習を受けて終了。講習は、シミュレーターを2時間受けたあと、教習車でコース内を1時間、汗だくになるぐらいみっちりと走ります。そして再び免許センターで書類と手数料を支払うことで、二輪免許が発行される流れです。
 
 一発試験での二輪免許取得時にかかる金額は、①申請手数料:2600円、②車両使用料:1450円、③取得時講習受講:1万2450円(※応急救護が必要な場合は+4,200円必要)、④免許証交付料:2050円の合計1万8550円なのですが、技能試験を再受験する場合は、①と②の合計4050円が、受験するたびかかります。
 
 では、一発試験の難易度は、どの程度なのでしょうか。普通自動車免許を保持している人が、大型二輪免許を取得する場合を例に、合格率を計算してみました。

 警察庁が公開している運転免許統計では、令和元年中の運転免許試験の受験者数は9万3593人です。そのうち、指定自動車教習所の卒業者が7万3084人。学科試験及び技能試験の免除者が8111人。教習所を卒業した人が全員免許を取得すると仮定すると、9万3593人-7万3084人-8111人=1万2398人。大型二輪免許を取得するために一発試験を受験した人数は、約1万2398人となります。そして、合格者が1598人なので、令和元年の合格率は約13%です。

実際に一発試験で大型二輪免許を取得した、easy Race TEAM所属のレーシングライダー 石塚 健 選手

 この難易度について、実際に一発試験で大型二輪免許を取得した、レーシングライダー 石塚 健 選手に、話を聞いてみました。石塚選手は、3歳からバイクに乗り始め、現在はCEVレプソルインターナショナル選手権のmoto2クラスに参戦しています。
 
「大型免許の取得は、思っていたよりも苦戦することになりました。

 ライダーとして普段はもちろんサーキットでバイクを走らせているので、バイクに乗る事への不安はありませんでした。大型二輪といっても、普段レースをしているパワフルなMoto2マシンや8耐での1000ccにも問題なく乗っているので、自信があったぐらいです。

 唯一、少し心配だったのは、交通ルールでしたが、クルマの運転もほぼ毎日しているので、それほど不安もなく、特に勉強などもせずに試験に挑みました。

 しかし、交通ルールは分かっていても、試験となると左右の確認や後方確認、合図をする場所など、試験場ならではのルールがあり、わからないことが山積みでした。

 結果、バイクに乗るという点では慣れているので、気持ちに余裕はあったはずですが、その他で覚えることが沢山あって、試験当日はとても緊張しました。

大型免許を取得し、試験について振り返ると意外に心の余裕が無かったように思います

 免許を取得するために、受験した回数は3回。1回目はコースの白線を勘違いして、外周を走ってしまって失格。2回目は、一本橋の通過タイムが速すぎたことによる失格。3回目は合格できたのですが、急制動で速度が足りず、1度やり直しをするという、すべて緊張からくるうっかりミスで、終わってみると意外に心の余裕が無かったように思います。

 自粛期間で中々レースもできず、スカッとしない日々が続いていましたが、大型免許を取るという目標を達成出来た時はホントに嬉しく、ヘルメットの中で叫びました!

 ココ最近で1番嬉しかった瞬間です」

 普段からクルマで公道を走っているだけでなく、バイクの取り回しはプロであるレーシングライダーでも、免許を取得するまでに、3回の受験が必要だった一発試験。予約の状況なども有り、思った以上に期間がかかることもあるようです。

 今回お伝えしたのは、埼玉県での取得の流れ。地域によっては多少の差がある場合もあるので、挑戦してみたい人は、まず地域の免許センターに問い合わせてみてください。

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