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車椅子ライダー、パラモトライダー用のバイクは普通のバイクと何が違う?

バイクのニュース / 2020年7月1日 13時0分

一般社団法人SSP(Side Stand Project)が開催した「パラモトライダー」走行体験会。普段の生活に車椅子を必要とする障がい者の方が操るバイクは、一般的なバイクとどこが違うのでしょうか?

■じつは小改造で製作可能なパラモトライダー用バイク

 一般社団法人SSP(Side Stand Project)が開催したパラモトライダー走行体験会。普段の生活に車椅子を必要とする障がい者の方が操るバイクは、一般的なバイクとどこが違うのでしょうか?

 骨折とまではいかなくても、誰でも足をくじいたくらいの経験はあるでしょう。そうした怪我を負った状態でバイクを走らせるのは、結構な困難を伴います。身体の一部でも不具合があれば、日常生活にすら不便を感じるものです。ましてや半身不随であったとしたら、バイクをライディングすることが簡単であるとは思えないでしょう。ですが、パラモトライダーの皆さんは見事にバイクを乗りこなしていました。

 近年、バイクの世界でも電子制御が一般化し、従来はライダー自ら操作していた部分を機械が肩代わりしてくれる様々なサポートデバイスが登場してきています。SSPのパラモトライダー用バイクにも、高度なデバイスが装着されライディングを助けているのでは? と考えるのは自然なことでしょう。一体、どんな凄いサポートデバイスが装着されているのか気になります。数年前に話題となった、ホンダのライディングアシストや、ヤマハのモトロイドのように自立機能を有しているのでしょうか?

 じつは、意外なことにバイク自体は非常にシンプルです。改造のポイントは大まかには2点のみ。シフトペダルにアクチュエーターが取り付けられ、シフトチェンジが手元のスイッチで行えるようになっていることと、足がステップから外れないよう、固定器具が取り付けられていることだけなのです。それ以外は、一般的なバイクとなんら変わりはありません。

左側スイッチボックス下に増設されたレバー型のスイッチでアクチュエーターを操作。手前に引くとシフトアップ、前方に押すとシフトダウン。スイッチは汎用品、メーカーによりスイッチボックスの形状が異なるため、マッチするスイッチを見つけるのが大変とのこと

 バイクは、身体全体を使ってコントロールするものだと言われます。パラモトライダーが動かせるのは、脊椎損傷の位置によっても変わりますが、胸から上といった部分です。ステップへの荷重など望むべくもありません。けれど、シフトチェンジをハンドコントロール化しただけで、バイクを操ることは可能なのです。パラモトライダーと健常者ライダーの違いは、じつは驚くほど小さいのです。

 現状、パラモトライダーのバイクへの乗り降りには介助が必要です。発進時と停止時には補助が欠かせません。安全確保のため様々な用意も必要です。バイクを操ることが出来るからと、無闇に公道を走ることは絶対に許されることではないでしょう。

 解決すべき課題は少なくありませんが、障がいがあってもバイクを楽しめる、その可能性があることは、多くの人に知っていただきたい、喜ばしい事実と言えるのではないでしょうか。

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