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the「燃費」ミニマムスポーツの実力は? スズキ「GSX-R125」の燃費性能を実走で測ってみた

バイクのニュース / 2020年7月10日 11時0分

維持費と機動性で注目の125ccクラス。人気の主軸はスクーターですが、MTスポーツであり、スズキが世界に誇る「GSX-R」ブランドの末弟を連れ出し、燃費計測してみました。

■原二MTスポーツ、スズキ「GSX-R125 ABS」の燃費はどれくらい?

 スズキ「GSX-R125 ABS」は、カタログ記載の燃費値を見ると、2名乗車時の60km/h定地燃費値が48.1km/l、WMTC(クラス2、サブクラス2-1、1名乗車)が45.1km/lという、ふたつのデータが意外と接近しているのが特徴です。

 the「燃費」企画では初となる125ccクラスですが、ルートはこれまでテストしてきた道を踏襲し、向かったのは房総半島南端エリアです。

 当然高速道は利用できないので、ひたすら下道(一般道)走行で調査します。「GSX-R125」は、メーターディスプレイに「トリップA」、「トリップB」、それぞれに平均燃費を表示するマルチインフォメーション機能があり、今回はそのデータを集計しています。

■アイドリングは、意外と燃費に影響する……

 都内、外苑周辺を出発し、皇居、銀座を抜け国道357号線、東雲付近まで大通りをメインに走行します。

都内の外苑周辺をスタート&ゴール地点に設定

 発進して各ギアで6000rpmほどまで加速し、シフトアップ。その際、イメージとして、アクセルの開度は全開の1/3から2/3程度、信号を先頭でスタートしても、後続の車両を少しリードする程度の加速です。

 信号と信号の間で6速までシフトアップして巡航しますが、赤信号で停止、右折信号も含め、アイドリング時間が多いという印象の市街地を14.1km走行し、平均燃費は36.8km/lという結果になりました。

 以前、別の道で郊外から都内へ50kmほど走行した時は平均燃費が41.3km/lだったので、距離や道路状況で数値は動く、という傾向が解りました。

■信号待ち、発進停車の頻度で燃費は大ブレ!

 千葉県の湾岸エリア、東雲から新木場、浦安、船橋、千葉市と、国道357を走ります。高架区間も長く、5km以上信号停止がない区間もあり、平均燃費の数値が伸びます。

スズキ「GSX-R125 ABS」(2020年型)カラー:トリトンブルーメタリック

 首都高速湾岸線と併走する、まさに快走路。トラックが多く、道は荒れた部分があるものの「GSX-R125」はしっかりと走ります。6速巡航により燃費計の数字が見る度に伸び、交差点が多くなる千葉市稲毛付近までの燃費ログは54.9km/lでした。

 停まらずに移動平均速度を維持でき、あっという間にここまで来た、という印象です。途中、燃費計は57km/l台にも迫りました。

 国道357から国道16号に乗り入れ富津方面へ。道が広く郊外型の店舗が並びます。ペースは東雲から稲毛の区間よりも落ち、右手に工場地帯が続くエリアに入っても信号停止が意外に多く、頻繁に発進停止を繰り返す印象です。燃費は47.5km/lでした。東雲からほとんど片側2車線の広い道です。

 それまでの片側2車線から片側1車線となり、移動ペースは巡航時で50km/h程度に。この速度でも「GSX-R125」は6速がストレス無く使えてトルクも充分です。スポーツエンジンだけに低回転は苦手かと勝手に想像しましたが、嬉しい誤算でした。

 そのお陰もあって、保田海岸までの32.8kmで53.7km/lを記録。信号停止などがあっても燃費はここまで伸張しました。

 出発から120kmの距離を走り、総平均(トリップBで確認)では49.8km/lを表示していました。国道は海岸線沿いを進むためアップダウンが少ない道路状況です。

■東京を出発して房総半島南端に到着。保田海岸からの45.9kmでは47.3km/l

 国道127号沿いの保田海岸から内陸ルートを走行。最終的に安房グリーンラインで南端エリアへと至るルートを走行します。

ツーリングルートに設定した房総半島最南端エリアにて

 この区間はアップダウンが多く、シフトダウン回数、減速、加速の回数が増えるのが特徴です。いわゆる信号の少ない快走路を繋げていますが、燃費的に上りが増えるとてきめんに数値に響くのが解る結果に。下ればプラマイゼロか、と思いましたが、そう簡単にはいかないようです。

 南端エリアからしばらく海岸線沿いに走り、国道410号へ。途中、酪農発祥の地を横目に通過するあたりは、峠道となっていてワインディング気分で「GSX-R125」も生き生きとします。

 南端への安房グリーンラインとこのルートはいつものthe「燃費」ルートでもあり、リッターバイク、150スクーターでも走行経験がありますが、楽しさは同等。ペースはのんびりしたのもので、毎回、この区間は燃費に嬉しい数値が出ます。

 保田から鴨川を結ぶ県道34号から大山千枚田へと、県道から外れ1.5kmほど棚田まで坂を上がるのですが、その手前まで燃費計は58.1km/lでした。

 しかし半島最南端から大山千枚田間の36.5kmで見ると56.7km/lまで落ち、今回最良の数値をマークしたものの、わずかな距離、エンジンをうならせるような走りをしなくても、原資の少ない125ccエンジン+体重84kgのライダーの組み合わせで数値は一気に下落。ちょっとがっかりです。

■一般道328.5kmを走り、総平均燃費は49.1km/lという数値に

 大山千枚田から紅葉ロードを経由して富津中央インター方面へ。これもthe「燃費」ルートを踏襲しています。そこからは往路と同じく国道127号から16号、357号と、高速道路ではなく一般道で東京へ戻ります。

ツーリングルートに設定した千葉県の大山千枚田にて

 燃費ログを途中3回計測しました。各ポイントで50.4km/lと49.1km/lと、往路同等の数値を得ましたが、千葉市から東京までの国道357号は、午前中よりも周囲のペースが速いこと、向かい風が強かったこともあり、エンジンに負荷がかかり、今回としては最悪の43.8km/lとなりました。

 全行程で総平均は49.1km/l。カタログ燃費を60km定地燃費値、WMTCとも実走総平均で上回った「GSX-R125」は、容量11リットルの燃料タンクを満たすと1人耐久レースを楽しめます(お尻は痛くなりましたが!)。ホシ5つです。

■スズキ「GSX-R125 ABS」燃費結果
総合評価:☆☆☆☆☆(ホシ5つ)
総走行距離:328.5km
一般道:49.1km/l(以下含む総平均)
市街地:36.8km/l
快走路:56.7km/l

※ ※ ※

 125ccクラスのMTスポーツでの遠出、少し癖になりそうです。

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