the「燃費」満タン300km超!? スズキのフラッグシップアドベンチャー「Vストローム1050XT」実走テスト
バイクのニュース / 2020年8月15日 13時0分
Vツインエンジン搭載の大型アドベンチャーツアラー「Vストローム1050XT」は、スポークホイールや最新の電子制御を搭載したスズキ最高峰ツーリングモデルです。実際の燃費を検証します。
■世界で人気のアドベンチャーツアラー、進化と熟成の上質なバランス
2020年スズキは新型「V-STROM1050(ブイ・ストローム1050)」シリーズを投入しました。エンジンやシャーシを先代ベースに熟成させ、電子制御スロットルの採用や電子制御のアップデイトにより、欲しかった様々な機能を搭載することで、商品性もぐっと上げています。
また、往年のデザートラリーに参加したワークスマシン「DR-Z(ディーアール・ジータ)」や、その市販車バージョン「DR-BIG(ディーアール・ビッグ)」の愛称で親しまれたバイクが持っていたスタイルDNAを投入したことも話題です。
「Vストローム1050XT」カタログ記載の燃費スペックは、国土交通省届出値、定地燃費値(2名乗車時・60km/h)が29.2km/lで、WMTCモード値(クラス3、サブクラス3-2)では20.3km/lとなっています。
いつものルートを走り、どんな燃費結果となるのか? 車載トリップメーターの距離、平均燃費計の数値を参考に見ていきましょう。
■おとなしく走っても市街地では停車時間が悪影響
市街地ルートは、東京都内の外苑周辺から一般道をたどり、首都高湾岸線沿いの国道356号線東雲付近まで走行します。国道246号で皇居、銀座を抜け、晴海方向へ。築地市場跡を右手に見ながら湾岸線方向に直進します。
いかにも長距離移動が得意だとイメージさせる、背後から見ても大柄なスタイリング
朝の通勤時間帯、交差点を1回の青信号でスルーできないのはよくある場面、大柄ながら軽快さと低速走行時の安定感に富む「Vストローム1050XT」は、渋滞気味の都内を不安無く走れます。
今回は銀座から築地周辺までの流れが悪く、燃費計は停まる度に数値が下がります。走行時間よりアイドリングが長い状況では、燃費は伸びずに16.3km/lという結果でした。
■高速道路は快適さハナマル! 平均燃費も向上
高速道路はまさに得意技。まずはthe「燃費」ルートのスタート地点、千葉県木更津エリアへ移動します。首都高湾岸線「新木場IC」から東行きに流入し、京葉道路、館山道、アクア連絡道「木更津金田IC」へ向かいます。
千葉県木更津エリアをスタート&ゴール地点として、スズキ「Vストローム1050XT」でツーリング想定のルートを走り、燃費を調査
途中で5km以上の渋滞がありペースが落ちましたが、現地近くのコンビニまでの82kmで参考燃費データは24.9km/lとなりました。ツアラーとしてはまずまずの数値ではないでしょうか。
実際の計測を開始したアクア連絡道「袖ケ浦IC」から館山道「富浦IC」間は、制限速度が80km/hから100km/h、また80km/hとなって70km/hへと変化します。流れに合わせたペースで25.2km/lですが、復路の高速道路燃費計測を行った館山道「富津中央IC」からアクア連絡道「木更津金田IC」までの区間では26.6km/lを記録。往路の54.4kmと復路の25.6kmで計80kmの平均燃費は25.9km/lでした。
6速で速度を安定させたらクルーズコントロールを作動させます。快適なのはもちろん、上質な乗り心地に満足感の高い走りが印象的でした。高速道路移動が得意技、長距離移動バイクの必須項目と言えるでしょう。
■快走路88km、6速ホールドでまったく飽きない走り心地
いつものように館山道「富浦IC」から房総半島南端エリアを目指します。より信号の少ない房総半島の内陸ルートを南下。安房グリーンライン経由で南端エリアまで走る前半22.3kmは、アップダウンが多く、カーブも点在する楽しいルートです。
実際の燃費はどうなのか? スズキ「V-STROM1050XT」で快走路を走る筆者(松井勉)
ここでの燃費は24.7km/lをマークします。5速と6速を使い分けながら走るのですが、排気量の大きなVツインエンジンらしからぬ、フレキシブルな特性を披露します。
快走路区間である南端エリアから国道410号、県道34号を抜け大山千枚田へ。この区間も前半同様、アップダウンとカーブが続くツーリングルートです。39.5kmを走り燃費は25.7km/lでした。
快走路最終区間となる大山千枚田から紅葉ロードを経由し、館山道「富津中央IC」までの26.2kmでは26.8km/lを記録。Vツインの鼓動、快適にもスポーティにも操れるハンドリングを楽しみ、飽きることなく走り続けられます。
快走路での平均燃費は25.7km/lという結果になりました。
■ツーリングなら、満タン無給油で350kmはイケる!?
アドベンチャーバイクの大切な機能として、航続距離があります。今回、計測と移動を含め262.1kmを走行し、そのトータル燃費は24.3km/lとなりました。市街地を含むので、これなら容量20リットルのタンクで、エンプティのドキドキ感を味わわずとも360km(15リットル消費想定)を超すレンジを手に入れられる計算になります。
いつものツーリング想定の計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着
■スズキ「V-STROM1050XT」燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
総走行距離:262.1km
市街地:16.3km/l
高速道路:25.9km/l
快走路:25.7km/l
走りと燃費のバランスの良さ、スズキ「Vストローム1050XT」と長距離をともにし、このバイクが世界で人気の理由がよく分かりました。燃費的には、ホシ4つ獲得です。
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