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バイクの免許を一発試験で取ってみた(取得時講習編)

バイクのニュース / 2020年8月16日 11時0分

バイクに乗る際に必要な自動二輪の運転免許証。教習所に通わず警察の免許試験場で試験に合格しただけでは免許はもらえません。現在では筆者(正田拓也)が最難関と思っている「取得時講習」を受けなければならないのです。

■実施している教習所を自分で探す必要がある

 座学を受けずに学科と技能に合格した一発試験の合格者は、それだけでは免許が与えてもらえず、教習所の指導員から最低限の指導を受ける「取得時講習」が必要です。

 それを受けるには、技能試験合格後に案内される教習所のリストから選んで申込み、その教習所に出向いて受ける必要があります。申込み方法は都道府県によって異なりますが、合格者が直接電話で実施日を確認して申し込むことが多いようです。

 実施のリストに載っているとはいえ、実際に開催している日程が多いか少ないかは別問題。教習所側も自分のところで抱えている教習生を優先しますし、ましてや教習所をパスして免許を取ろうという“商売敵”への対応は決してよいものではありません。

 筆者(正田拓也))もそんな“塩対応”に耐えながら自宅に近いところから問い合わせをしていくものの、新型コロナウイルスの影響で長期休業の後ということで次から次へと断られます。断られるというよりも「当面予定がない」というもの。なかには「教習生で手いっぱい」や、「需要が逼迫している二種免許の講習を優先している」と理由を言ってくれるところもあり、そう言われればあきらめるしかありません。

 なかには、最初に問い合わせた筆者に最も近い教習所が「来月になれば予定が出るので来月に問い合わせてほしい」と言うので、その言葉を信じて待っていたところ、月を越えて問い合わせると「全く予定なし」とあっさりと断られてしまいました。

 仕方なく、自宅からかなり遠いものの、取得時講習を積極的に受け入れているとされるところに淡い期待とともに電話をしたところ、すぐに予約が取れました。予定は1カ月後の7月下旬となってしまいましたが、最初からここに問い合わせればよかったと後悔するほどです。免許が欲しいなら近場にこだわらず取得時講習の実績の多いところから問い合わせるほうが良さそうです。

 特に自動二輪の取得時講習はたった3時間の1日で終了するため、多少遠くても大きな負担になりません。

 ちなみに、実施リストによれば普通自動二輪よりも大型自動二輪のほうが実施場所が少なくなっています。これは他の取得時講習でも同様で、例えば二種免許では普通二種なら多くの教習所で実施していても大型二種、中型二種は極端に少なくなります。

 実施教習所が少なくて取得時講習が受けられずなかなか免許がもらえないなら、取得時講習の実施場所の多い普通自動二輪をとってから大型自動二輪を取れば大型自動二輪を取るときの取得時講習は不要になり、結果的に早く免許がもらえるかもしれません。効率的に免許を取るには取得時講習のことまで考え、技能試験を受けている最中に一発試験向けの教習をしている「特定届出自動車教習所」で「特定教習」を受けることも考えたほうがいいでしょう。

■講習は免許前の最後の仕上げ

 二輪車の取得時講習は3時間、シミュレーター、それに対する話し合い、そして実際にバイクに乗って指導員からアドバイスを受けるところまでとなっています。公道に出る前の最後の総仕上げといったものです。

 筆者が行った教習所のシミュレーターはあのホンダが作ったもので、筐体のあるアーケードゲームのよう。公道で起こりうるアクシデントに対して対処ができるかと、そのリプレイを見てどう対処するのかを学ぶものです。そして、シミュレーターのリプレイを見ながら対応を受講生同士で話し合うというものです。

 シミュレーターでは前後左右のGを感じないので実車とは違いますが、ここで学ぶことは道路上で起こるアクシデントに対する対応で、走行状態やブレーキのかけ方なども振り返ることができます。そして、実際に起こるさまざまな問題を交えてディスカッションを行い、運転に対する新たな気付きを得ます。

 シミュレーター上では、普段から注意深く運転していれば想定できるアクシデントが凝縮して発生。その対応をまさにゲームのリプレイのように確認します。アングルを変えれば事故相手からの見え方も再現され、バイクが他の交通機関よりも見えにくいことがよくわかる内容になっています。

■実車でコースを周り、問題点を指摘される

 実技の講習では指導員に続いて教習所内のコースをバイクで周る時間もあります。AT小型限定の教習車といえば、スズキ「アドレス125」がほとんどで、講習を受けた教習所も試験場と同じアドレスでした。そして、遠心クラッチの繋がりは試験場の唐突にトルクがかかる試験車のようでした。

教習所内での走行風景(写真はホンダ・ベンリィe:メディア試乗会での様子)

 自分にとって乗りにくい状態だったバイクだったこともあって、技能試験の際に苦手だった一本橋の問題点はすぐに指摘されました。要はバランスのとり方の問題で、スピードを出してコースを周回するときと、一本橋など細かく運転する際の姿勢は少し違うということです。

 技能試験のワンポイントアドバイスでは周回時の目線の低さや不安定さを指摘され、意識して後ろ側に重心をとるようにしていましたが、それでは一本橋ではバランスがとりにくくなります。そのため、少しだけ前のめりになり、肘の力でハンドルに微調整を加えていくように教えられました。考えてみると試験ではワンポイントアドバイスに沿って無理をしていたため、アクセルワークに失敗した瞬間にバランスを崩すと修正不可能に陥っていたのです。

 走行中に乗車姿勢を修正することはふらつきにつながると思ってしませんでしたが、一本橋の手前の一時停止で乗車姿勢を修正したり、グリップを握り直したりすることはできるはずなのに、できていなかったのです。

■指導員の指導を受けられ、楽しい1時間に

 試験中の緊張状態ですべて想定どおりに運転するのは難しく、未熟な点は他人に指摘してもらわないとわからないことが多くあります。教本や教材動画だけは不十分になりがちで、自分のような場合は教習所で指導を受けたほうがもっと早く試験に合格するレベルに達していたと思われます。

 それでも、すでに試験に合格しているという安心もあって、1時間の講習でもバイクで走ることの楽しさを再確認しました。講習が終わってみれば、自分のもやもやしたものが解決するとともに、バイクに乗りたいという気持ちも高まって非常に有意義な時間でした。

■終了証をもって免許試験場へ

 取得時講習が終われば、終了証が渡されるので免許試験場へ行き、交付手数料を払って免許交付となります。予約は必要ないものの時間が指定されており基本的には平日に行く必要があります。

取得時講習が終わった後は免許試験場へ行き、交付手数料を払って免許交付を行います

 免許を受け取ればそこでチャレンジは終了です。新たに免許を取得した際はその時点で違反点数などを判断し、運良くブルーからゴールドになる場合もあれば逆もあります。筆者の場合、色は変わりませんでしたが、免許の期限が1年伸びました。

 余談ですが、新たな免許をとればその時点で免許の期限が設定されます。もし、更新の期限が迫っているときに新たな免許を取れば更新の手数料も時間のかかる講習もなく免許の有効期限が伸びることになります。更新が迫っているときに、新たな免許を取ると結果的に費用を抑えることができるのでおすすめです。

■一発or教習所はそれぞれの特徴をよく判断してから

 筆者の場合、免許を取ろうと思い立ったのが2019年8月、最初に免許試験場に出向いて技能試験の予約をしたのが2019年9月はじめでした。そして合格が2020年3月で、取得時講習までに時間があき、免許を手にしたのが7月31日と1年近い時間がかかってしまいました。

 もし、最初から教習所に行っていれば新型コロナウイルスの影もないうちに免許を手にすることができたはずです。前後の手続きも含めて10回近く試験場に通ったり、取得時講習を受けたり、その交通費やスケジュール調整に関する諸々のことを考えれば、教習所のほうがコストパーフォーマンスは良好だったように思います。

 とはいえ、何度も不合格になるなかで自分の運転に対する自問自答も楽しかった一面もあるほか、苦労して取ったことは今後も役立つかもしれません。教習所のように手厚い指導を受けられなかった点は、取得時講習で少し取り戻したように感じています。

 次は、限定解除や大型二輪へのステップアップも考えられますが、もし、挑戦するなら試験の記憶の鮮明なうちが有利なので、またチャンレンジを検討したいと思います。

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