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レーサーに近づいたホンダの2サイクルスーパースポーツ「NSR250R(MC16)」

バイクのニュース / 2020年8月17日 19時0分

2年連続でロードレース世界GP250のメーカーチャンピオンを獲得したNSR250の技術を市販車に惜しげもなく投入し生まれた「NSR250R」は、80年代のレプリカブームに一石を投じた2サイクルスーパースポーツバイクです。

■ホンダのレーサーレプリカ最高傑作NSR250Rとは!?

「ホンダ・NSR250R」は、1986年10月に発売された2サイクルスーパースポーツバイクで当時人気を博していたヤマハのTZR250に対抗するモデルとして市場に投入されました。

’85、’86年度と2年連続でロードレース世界GP250のメーカーチャンピオンを獲得したレーサー「ホンダNSR250(RS250R-W)」で得た最新技術の数々を市販車NSRに投入し、開発が進められます。また、1985年は、フレディー・スペンサーのライディングで、GP500クラスとGP250クラスのWチャンピオンに輝いています。

 総排気量249cc、水冷・2サイクル・90度V型2気筒エンジンを搭載し、摩擦抵抗を低減した一軸クランクシャフトや、コンピューター制御の可変排気孔バルブ機構など最新技術を装備、1986年に発売されていた250ccクラスの2サイクルスーパースポーツバイクでは最軽量の乾燥重量125kgを実現しています。

 エンジンは、軽量・スリム・コンパクト設計で、V型シリンダーの狭み角度90度に設定し、一次振動を理論上ゼロとし、エンジンをフレームにダイレクトに固定して搭載することが可能となり、優れた操縦性を実現しています。

 クランクシャフトは一軸とし、エンジン自体の軽量・コンパクト化と摩擦抵抗の低減を実現、吸気効率を大幅に向上させたクランクケースリードバルブ方式を採用。キャブレターをエンジン後方に平行配置、エンジンを20度前傾で搭載することで低重心化がはかられました。また、排気系に、エンジン回転数に応じてコンピューターで排気時期を制御させるホンダオリジナルRCバルブを採用、中低速域から高速域まで力強い出力特性を発揮しています。

 車体は、スリムなエンジン幅を活かし、エンジン自体をもフレームの一部とした設計とし、ホンダ独自の「目の字」断面構造をもつアルミフレームを採用、軽量・高剛性、低シート高(750mm)を実現しています。また、フレームを包み込んだフル・フェアリングと大型リアカウルは、人車一体のエアロフォルムを形成し、優れた空力特性を生み出しています。

S字断面スポークと幅広リムをもつアルミホイールに偏平タイヤを装備

 足回りは、フレームの高い剛性に合わせて、偏平タイヤ、S字断面スポークと幅広リムをもつアルミホイール、アルミ製スイングアームを採用。さらに、前・後輪に油圧式ディスクブレーキ(前はフローティング式ダブル・後はシングル)をトリプルで装備し、最新技術の数々を投入したスーパースポーツバイクとなっています。

「ホンダ・NSR250R」の年間国内販売計画台数は1万5000台でしたが2万台近く販売し、1986年2サイクルレーサーレプリカ販売台数1位を記録しています。なお、価格は55万9000円でした。

1987年には特別色NSR250Rテラカラー発売

■ホンダNSR250諸元

全長×全幅×全高:2035mm×705mm×1105mm
最低地上高:135mm
乾燥重量:125kg
車両重量:141kg
燃費:41.0km/L(50km/h定地走行テスト値)
エンジン形式:MC16E水冷2サイクル・ケースリードバルブ90度V型2気筒
総排気量:249cc
最高出力:45ps/9500rpm
最大トルク:3.6kg-m/8500rpm
燃料タンク容量:16リットル
変速機形式:常時噛合式6段リターン
フレーム形式:ダイヤモンド

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