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高校生の自動二輪車等の交通安全講習にて指導しました。

バイクのニュース / 2020年8月28日 9時0分

バイクタレントとして活躍する岸田彩美さんは高校生の自動二輪車等の交通安全講習で指導員を務めました。この講習はどのような内容だったのでしょうか。

■高校生の自動二輪車等の交通安全講習とは

 こんにちは。バイクタレントの岸田彩美です。先日、高校生の自動二輪車等の交通安全講習がありました。昨年は取材だけでしたが、今年は二輪車安全運転指導員(※)として、参加しました。

※二輪車安全運転指導員は、二輪車安全運転推進委員会(略称 二推)に所属し、二輪車の各種講習会等で指導にあたる人のことを言います。指導員についても興味ある方はいるかと思いますので、次回改めてお伝えしますね。

 さて……私の住んでいる埼玉県では昨年2019年4月1日から「高校生の自動二輪車等の交通安全に関する指導要項」が新たに制定されています。

「高校生に免許を取らせない・買わせない・乗せない」という【3ない運動】を見直して、適切な安全教育を行わせる【安全運転講習会への参加】も義務付けられています。そのうえで免許と保護者の同意・任意保険への加入などをクリアする……これが、埼玉県の県立(公立)高校の場合の手続きになりました。なお、私立高校の場合は各学校の判断、手続きになります。

 ちなみに、埼玉県以外ですと、普通自動二輪車運転免許取得を許可している県は、神奈川・東京都のみとなり、原動機付自転車の免許のみ許可することが多いのが特徴です。

 今回私が参加した講習の主催は、埼玉県教育委員会。また埼玉県警察本部・(一社)埼玉県交通安全協会・埼玉県二輪車普及安全協会・埼玉県高等学校安全教育研究会・埼玉県交通安全対策協議会……これらすべての機関が一丸となってバックアップしています。“交通安全教育”への熱意の賜物だと思います。

高校生の自動二輪車等の交通安全講習に持ち込まれた生徒たちの愛車

 参加対象者は、運転免許を取得し、自動二輪車等(原動機付自転車または自動二輪車)を所有し運転する生徒となっており、講習で使う車両も原則として普段生徒が実際に運転している車両です。バイクによって特性が変わるので、自分のバイクを知ることも大切なこと。実に、理にかなっていますね。

 講習の目的は、「交通安全意識を啓発し、交通社会の一員となる自覚や資質向上を図り、必要な知識及び技能を取得させること」となっています。一年間に埼玉県内各地で数回行われています。

■講習内容は3種類

実際の講習内容は以下の3種類です。
①講義…事故違反の状況や交通社会の一員としての自覚、交通事故時の対応要領等
②実技講習…日常点々、乗車姿勢、ブレーキング、コーナーリング、バランス等
③救急救命法…AEDの使用等救急救命法

高校生の自動二輪車等の交通安全講習で二輪車安全運転指導員を努めた岸田彩美さん。実技講習の指導員として、「ブレーキング・目標制動セクション」のお手伝いをしています

 私はといえば、実技講習の指導員として、「ブレーキング・目標制動セクション」のお手伝いをしました。

 目標制動とは、時速30kmで走行し、パイロン(目標)手前で自分の意志でフルブレーキ(調整をしない)で停まれるように練習します。道路では、急に人や動物が飛び出して来たりすることもあります。また、障害物が落ちているかもしれません。私も何度もヒヤっとしたか覚えていない位、本当に思いがけない事がよく起きます。

 その状況を想定した上で、パイロンを越えなかったか、自分の思っている範囲でちゃんと停まれているか、取り組んで頂きました。

 初めは上手く出来なくて当たり前なのです。しかし、練習を重ねる中で自分が乗っているバイクの性格や感覚を感じる事、フロントブレーキ・リアブレーキを使う事、エンジンブレーキやアクセルを戻してブレーキ出来る……など出来る事がどんどん増え、それが自分の経験となり糧となるのです。
 
 いざという場面で、こうした経験をしている・経験をしていないという差は大いに影響すると思います。

 少ない講習時間の中で、先輩指導員の方にもアドバイスをもらいつつ、とにかく練習やバイクに乗る事を楽しんでもらおうと心がけました。また生徒の顔やバイクを覚えるようにして、さっき走ってみてどうだった? 等お話をしながら目標制動に取り組んで頂きました。

※時期も時期ですので、会場では新型コロナウイルス感染防止対策として、飛沫防止・三密を避け換気を行い、更に熱中症対策として水分をこまめに取るよう促し、塩タブレット等を配布していました。この辺も行き届いているなぁと感心しました。

■“教育”の大切さ

 3ない運動の「バイクの免許を取らせない」「バイクを買わせない」「バイクを運転させない」という考え方は、時代背景を考えると分からなくもありません。「バイクは危ないから」と不安になる親御さんの気持ちもわかります。

新型コロナウイルス感染防止対策をしたうえで行われた座学。事故違反の状況や交通社会の一員としての自覚、交通事故時の対応要領等が講義されました

 しかし、今回指導する立場にあたって、「教える事の大切さ」とともに、「禁止するのではなく、別の方法もあるなぁ」と改めて感じました。
 
「いくら交通事故には気を付けようね」と言っても、ちゃんと「どうすれば安全に運転することが出来るのか、こういう場面はどうするべきか」ここを教えなければならないと思うのです。

 そういう具体的なことを教わり、教わったことをふまえて日常生活を送る上で生徒自身が考え、行動することでより安全への意識が芽生えるのではないでしょうか。それこそが、本当に」必要な「教育」であると思いました。

 この講習でも、高校生はちゃんと話を聞いて、吸収していました。実際にバイクの運転もとても上手になっていました。バイクに乗る時だけでなく、自転車や歩行時に役に立つこともあるでしょう。
 
 今回の交通安全講習は、今後も続いていきます。私達は生活をするうえで道路を必ず使います。交通社会の一員として、交通安全教育をすることは必要不可欠だと思います。
講習をきっかけに、普段から考えて行動してくれる・教えれば、絶対にわかってくれるという実感がわきました。

 暑い日差しの照り付ける中でしたが、どの生徒さんもニコニコ笑顔だったのが印象的でした。このような貴重な機会に指導の立場として参加できて、私も勉強になりました。これからも出来る限り協力していきたいです。

 まず何より、この動きが、全国に広まるといいなと思います。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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