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2020年“もて耐”3時間の耐久レースを走った市販車ベースのレース仕様車 BMW Motorrad「G310R」はどこが違う?

バイクのニュース / 2020年9月3日 17時0分

2020年『もてぎ7時間耐久ロードレース』通称“もて耐”に初参戦した筆者(伊藤英里)。エントリーしたのは「NEO STANDARD」クラス、車両は市販車のBMW Motorrad「G310R」です。もて耐参戦マシンはどのような仕様になっているのでしょうか?

■市販車のネイキッドバイクはいかにして“もて耐仕様”になるのか?

 2020年の『もてぎ7時間耐久ロードレース』通称“もて耐”に初参戦した筆者(伊藤英里)。エントリーしたのは「NEO STANDARD」クラス、車両は市販車のBMW Motorrad「G310R」です。もて耐参戦マシンはどのような仕様になっているのでしょうか?

※新型コロナウイルスの感染拡大を受け、参加選手や関係者の安全・安心を最優先に考慮し、本イベントにおける感染防止の為、決勝レースは7時間から3時間へ、そのほか競技内容に多くの変更がありました。

 お話を伺ったのは、BMW Motorrad正規ディーラー『Motorrad Central飛鳥山支店』(東京都北区)の大木俊博さん。レース当日は、伊藤が参戦したチーム『Frau Central & BMCJ』のメカニックとしてチームを支えてくれた存在です。

 今回の参戦車両BMW Motorrad「G310R」は、もて耐において参戦台数を伸ばしているバイクです。2020年のもて耐では、NEO STANDARDクラスでは全15チームがG310Rで参戦していました。

 そんな“もて耐仕様”のG310Rですが、NEO STANDARDクラスは比較的改造範囲が狭くなっています。おおまかに言えばリアショックがオーリンズ製、マフラーがヨシムラ製、ステップがZIP MOTOR PRO製に変更されています。

 また、本来ネイキッドスタイルのG310Rは、乗車姿勢がアップライトになるバーハンドルが標準装備ですが、“もて耐仕様”ではセパレートハンドルに変更されています。

A-TECH製のキットパーツにより、フルカウル仕様に変更されている

 G310Rの車体を覆うアッパーカウル、サイドカウル、アンダーカウルなどは、A-TECH製の専用キットパーツです。よって「G310Rをフルカウルのレーサーにして参戦している車両はすべて、A-TECHさんのカウルを使っている」のだそうです。ピットで他のチームのG310Rをよく見てみると、確かに同じ“顔”を持っているのがわかります。

 さて、次にオーリンズ製のリアショックについて見ていきましょう。細かくプリロードの調整が可能で、フリクション低減のほか、大木さんによれば、また違ったメリットがあるのだそうです。

「(今回のサスペンションの選択は)使っているチームが多いということもあります。使っているチームが多ければ、セッティングのデータが豊富です。“これなら減衰力をもう少し抜いた方がいいのでは?”など、アドバイスがもらえますから。

 目標にしているライダーがいるなら、そのライダーと同じバイクにすれば聞きやすい、というのもありますよ。まねをしていくのが一番の近道なんです。それで方向性がわかってきたら、今度は自分の走りや体格に合わせ、細かくセッティングしていく、という方法もあります」

リアショックはノーマルからオーリンズ製に変更

 ちなみに、今回はサブコン(燃調や点火時期など、燃料噴射マップを補正できるサブコンピューター)の投入はありませんでした。「時間があれば、サブコンも視野に入れたかったけれど……」と大木さん。将来的には、オーナーの坪井さんも大木さんもサブコンを取り入れたいと思っているそうです。

 じつは今回の車両、もて耐当日も熟成途中でした。というのも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大とその防止対策により、6月以前にはほとんど走行ができなかったからです。もて耐前日の特別スポーツ走行(練習走行)では、ブレーキパッドを変えてはフィーリングを見てまた元に戻すなど、その他細かなトライ&エラーがありました。

 こうして今大会を走ったFrau Central & BMCJのG310Rのベストタイムは、2分32秒328という結果に。3時間の耐久レースを戦い抜き、総合67位、クラス12位でフィニッシュしたのでした。

ネイキッドスタイルのG310Rのバーハンドルはセパレートタイプに変更

 レーサーは一朝一夕では完成されないモノ。きっとこの先、このG310Rが熟成されていくに違いありません。

 “バイクの何を変えると走りの印象がこう変わる”、そんなバイクとライダーとの対話、メカニックさんとのコミュニケーションなどを通してつくり上げられていくレース参戦バイク。これもまた、レースに参戦する面白さのひとつだと感じたのでした。

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